やりたいことが見つからない君へ/坪田信貴

 

 

 映画化もされた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の作者で「ビリギャル」こと偏差値30代さやかちゃんを指導して慶応義塾大学に合格させたことで知られる坪田さんが「やりたいこと」を持てない若い世代に語られます。

 

 さやかちゃんが坪田センセイの指導を受け始めた当初、「いい国作ろう平安京」といってセンセイを仰天させたエピソードを紹介されていて、しかも平安京を歴史上の人物だと思っていたというオマケまでついていたということですが、それでもさやかちゃんの可能性を疑わなかったということで、すべての人に「可能性」があることを再三強調されていますが、だからと言ってまだ人生経験の少ないうちに必ずしも「やりたいこと」を特定しなくてはいいのではないか!?とおっしゃいます。

 

 というのも、限られた「手札」の中で「やりたいこと」を選ぼうとするのは時期尚早で、後戻りできない状況になってからよりよい選択肢を見つけてこんなはずじゃなかった!?ということを避ける意味でも、若い頃は自分の「手札」を増やすことを優先して、「これぞ」という選択肢を見つけたときに、全力でそれに注力するのでいいのではないかということです。

 

 ただ、「手札」を増やす中で、勉強を頑張ることは「コスパの良い」選択肢だとおっしゃられていて、誰でもが愚直に努力するだけで「すごい人」認定をしてもらえて、後から何を目指すにせよ、有利に働く「おいしい」ファストパスになりえるということも申し添えられているのが印象的です。

 

 いざ、幸運にもこれぞという選択肢を見つけた後も、特に親を始めとする周囲が、「そんなのムリ」と合唱しがちだということですが、この本の中で「夢」を実現するための方法論についても紹介されていて、ホンキで夢に向かって進めば全然「ムリ」なんてことはない!と断言されているのが頼もしく、オトナは若い人にこういうスタンスで向き合っていきたいもんだ…と思った次第でした。