『あらゆる領収書は経費で落とせる』で知られる元国税調査官の大村大次郎さんが語る起業のノウハウです。
大村さんは2012年出版の『悪の起業学』や2015年出版の『起業のためのお金の教科書』など折に触れて起業に関する著書を出版されていますが、コチラは大企業における副業の解禁や消費税のインボイス制度施行といった最新の状況を踏まえての起業のノウハウ本と言えそうです。
「人生100年時代」と言われるようになり、延長雇用で65歳まで働いたとしても、まだその後35年もの「余生」があるということで、年金だけではリタイア後の成型が賄えなくなるんではないかという懸念が大きくなってきており、そんな中でリタイア後の収入を確保する手段ということと、生活を充実させるための手段としても起業が注目されるようになってきているということです。
そんな中で多くの企業で副業を容認するようになってきていることから、リタイア後にいきなり起業のリスクを冒すのではなく、現役のうちから副業というカタチで「味見」をしておくことで、リタイア後のリスクを軽減させることを勧められています。
そういった副業をする上での税務的な対応を始めとして、事業を開始した後に税制上に有利な方法や、リスクの少ない資金調達の方法など、如何にリスクを下げながら、有利に起業を進めるかということについて詳細にノウハウを紹介されており、起業を志されている方は、辞書的に手元においておくと役に立つ本なのではないかと思います。