ローマ帝国の誕生/宮嵜麻子

 

 

 『仕事に効く教養としての「世界史」』など、出口治明さんの一連の世界史本をキッカケに世界史を題材にした本を読んで、このブログでも取り上げるようにしているのですが、なかなか知識の蓄積が追い付かなくて、日本史での知識と比べると未だ限りなくゼロに近いということで、この本を読んでも知らなかったことばかりで、こんなことをブログに書くと「そんなことも知らなったのか!?」と思われそうで恥ずかしいのですが、恥を忍んで取り上げたいと思います。

 

 ローマ帝国というと世界史上初めて出現した「帝国」だということで権威主義的なモノを想像していたのですが、どちらかというと都市国家の延長線上に出来上がったモノだということで、共和政のリベラルな色彩の強い国家だったということがオドロキでした。(こういうところって、「そんなことも知らんかったんか!?」ですよね…)

 

 圧倒的な勢力の下で周囲を取り込んでいくワケですが、当初は必ずしも属国として扱うわけではなく、あくまでもその国の意志としてローマ帝国に従うというカタチだったようで、統治形態としてもカエサルの時代を除けば絶対的な「皇帝」を仰ぐワケではなく、一定の貴族的な階級だとは言え、協議制のような政体を取っていたことが意外でした。

 

 国家の規模が大きくなるに従い、過度に共生を伴わないというところがで、統制を欠くことになり、それゆえに崩壊へと向かってしまうワケですが、古代にこういうリベラルな政権が一定の規模を維持していたことが意外で、強権的な政権から次第にリベラルな方向へ向かうというイメージを覆される想いがして、目からウロコでした。