勝つ経営／城山三郎

勝つ経営

　城山さんの企業トップとの対談を集めた本です。
　ソニー、ホンダ、富士フィルムの社長との対談の後に、本田宗一郎さんへの
オマージュが収められているところに、何かこの本の象徴的意味を感じさせら
れます。

　本田さんを含めて、対談をされている社長さん３人とも、企業トップとして
会社を率いるよりも、どちらかというと現場でバリバリやっていくのがお好み
のようなのですが、城山さんはそういうところについて、出処進退の美しさを
感じられているようです。

　日本の企業では、権謀術策を尽して、社長になることを目的としてしまうこ
とが多いのに対して、サッと社長の座を去って、完全に経営の場面から姿を
消した本田さんの姿を、それ以外の３人の社長にも見ているのかも知れません。