2022-01-01から1年間の記事一覧

最後の講義完全版 これからの時代を生きるあなたへ/上野千鶴子

最後の講義 完全版 上野千鶴子 これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい 作者:上野 千鶴子,NHKグローバルメディアサービス,テレビマンユニオン 主婦の友社 Amazon 以前、NHKの『最後の授業』という番組を書籍化した出口治明さん…

人工知能はなぜ椅子に座れないのか/松田雄馬

人工知能はなぜ椅子に座れないのか: 情報化社会における「知」と「生命」 (新潮選書) 作者:松田 雄馬 新潮社 Amazon この本も楠木建さんの『絶対悲観主義』の中で触れられていた本で、NEC出身のAIの研究者の方が、2018年時点におけるAI研究の概要と最…

回復力/畑村洋太郎

回復力 失敗からの復活 (講談社現代新書) 作者:畑村 洋太郎 講談社 Amazon 先日紹介した楠木建さんの『絶対悲観主義』の中で、楠木さん自身が失敗された時に読まれてご自身を励ましているんじゃないかと思いながら読まれたと紹介されてたのが印象的だったの…

「命」の相談室/ゴルゴ松本

「命」の相談室-僕が10年間少年院に通って考えたこと (中公新書ラクレ, 749) 作者:ゴルゴ 松本 中央公論新社 Amazon 「命」ポーズの芸で知られるコメディアンのゴルゴ松本さんが、少年院での講演ボランティアなどの活動を手掛けるに至った過程など、ご自身の…

歴史学者という病/本郷和人

歴史学者という病 (講談社現代新書) 作者:本郷和人 講談社 Amazon 最近、毎月のように著書を出版しているようにも思える程の人気を博している日本史研究者である本郷センセイの自伝的な著書です。 ただ自伝的なモノというだけでなく、歴史学というモノの実態…

50歳代からの科学的「筋肉トレーニング」/フィンク・ジュリウス

50歳からの科学的「筋肉トレーニング」 若いときとは違う体をどう鍛えるか (ブルーバックス) 作者:フィンク ジュリウス 講談社 Amazon コロナ禍に突入するまでは年5回フルマラソンを走って、若さをキープしているつもりになっていたのですが、在宅勤務で引…

藤原正彦の人生案内

藤原正彦の人生案内 作者:藤原 正彦 中央公論新社 Amazon 山岳小説というジャンルを作り上げた新田次郎さんのご子息で、数学者でありながら『国家の品格』などのベストセラー作家としての側面も持つ藤原正彦が読売新聞の『人生案内』という人生相談のコーナ…

百田尚樹の新・相対性理論

百田尚樹の新・相対性理論: 人生を変える時間論 作者:百田 尚樹 新潮社 Amazon 排外的な言動や右寄りの論説で知られる百田さんですが、百田さんにしては珍しく、この本ではそういう側面は一切出てきません!(笑) さらに百田さんにしては珍しいことには、「…

歴史の本棚/加藤陽子

歴史の本棚 作者:加藤 陽子 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』など、戦争までの昭和史の研究で知られ、就任当初の菅元首相による日本学術会議メンバーへの任命拒否の渦中に巻き込まれたことでも知られる加藤先生が…

空気を読む脳/中野信子

空気を読む脳 (講談社+α新書) 作者:中野信子 講談社 Amazon 精神科医の中野センセイが日本人に顕著な「空気を読む」ための脳のメカニズムを紐解いた本です。 「空気を読む」というのは必ずしも自分が進んでそうしたいからというワケではないのですが、なん…

主権者のいない国/白井聡

主権者のいない国 作者:白井 聡 講談社 Amazon 以前、この本の著者である白井さんと『日本辺境論』など辛口の論評でしられる内田樹さんの対談本である『日本戦後史論』を紹介したのですが、この白井さんという方は『永続敗戦論 戦後日本の核心 (講談社+α文庫…

職業としての官僚/嶋田博子

職業としての官僚 (岩波新書) 作者:嶋田 博子 岩波書店 Amazon 1986年から2019年まで人事院に勤務され現在は京都大学公共政策大学院で教鞭を取られている方が紹介される”官僚”の実態です。 一時期留学をされていた以外は一貫して人事院の業務に従事されてい…

57歳で婚活したらすごかった/石神賢介

57歳で婚活したらすごかった (新潮新書) 作者:石神 賢介 新潮社 Amazon 先日紹介した楠木建さんの『絶対悲観主義』の中で触れられていて、結構興味をそそられたので手に取ってみました。 著者の石神さんは32歳の時に離婚されて、50歳を目の前にもう一度結婚…

リモート営業入門/水嶋玲以仁

リモート営業入門 作者:水嶋 玲以仁 日経BP 日本経済新聞出版本部 Amazon コロナ禍以降、営業もリモートでこなすことが多くなったということを聞きますが、どうやって対面せずに成り立つのかが結構フシギだったのですが、こういう本を見つけたので手に取って…

トヨタの失敗学/(株)OJTソリューションズ

トヨタの失敗学 「ミス」を「成果」に変える仕事術 作者:(株)OJTソリューションズ KADOKAWA Amazon トヨタの製造工程出身の方が中心となって立ち上げられたコンサルファームで、トヨタで培ったノウハウを外部でも指導されている方々が紹介される「失敗の活か…

営業女子/太田彩子

営業女子 働き方の基本がわかる教科書 作者:太田 彩子 プレジデント社 Amazon 幾多の人材を輩出したリクルートの出身で営業職の女性をサポートする「営業部女子課」を主宰されている方が語られた女性の営業職の方々の今後の働き方です。 この本は2016年に出…

50代からの「確実な」お金の貯め方、増やし方教えてください/浅田里花

50代からの「確実な」お金の貯め方、増やし方教えてください 作者:浅田里花 主婦の友社 Amazon ありがちなリタイア後に備えたおカネの本で、多少アオり気味のタイトルではありますが、中身はかなり「確実な」モノとなっているように感じました。 というのも…

一汁一菜でよいと至るまで/土井善晴

一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書) 作者:土井 善晴 新潮社 Amazon 今年3月末に32年間講師を務められたテレビ朝日の『おかずのクッキング』が終了した料理研究家の土井善晴さんが、昨今提唱されている「一汁一菜」を重視するような境地に至るまでの軌跡を…

組織で生き延びる45の秘策/池上彰、佐藤優

世界の〝巨匠〟の失敗に学べ!-組織で生き延びる45の秘策 (中公新書ラクレ 768) 作者:池上 彰,佐藤 優 中央公論新社 Amazon このお二方の対談本も随分出版されていますし、このブログでも取り上げましたが、極めて多様なジャンルに及んでおりお二方の博識ぶ…

妄想美術館/原田マハ、ヤマザキマリ

妄想美術館 (SB新書) 作者:原田マハ,ヤマザキマリ SBクリエイティブ Amazon 元々画家を志していた『テルマエ・ロマエ』で知られる漫画家のヤマザキマリさんが『本日は、お日柄もよく (徳間文庫)』などで知られるベストセラー作家の原田マハさんとお気に入り…

現代日本を読む/武田徹

現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作 (中公新書) 作者:武田 徹 中央公論新社 Amazon 以前、『日本ノンフィクション史』という本を紹介しましたが、著者の武田徹さんが、今回は作品を中心にノンフィクションの進化を語られた本です。 そもそもノン…

絶対悲観主義/楠木建

絶対悲観主義 (講談社+α新書) 作者:楠木建 講談社 Amazon 2010年に出版された『ストーリーとしての競争戦略』が話題を呼んだことで知られる楠木建さんが語られる“仕事術”的な本なのですが、フツーの人向けだということで、ちょっと脱力系の匂いも感じる意外…

毒親/中野信子

(170)毒親 (ポプラ新書) 作者:信子, 中野 ポプラ社 Amazon 東日本大震災やコロナ禍を経て、”絆”が強調される半面、最も深い関係であるはずの家族との不和に苛まれる方もおられるワケで、特に親からの理不尽な仕打ちに苛まれる子どもたちは逃げ場がない…

日本人の承認欲求/太田肇

日本人の承認欲求―テレワークがさらした深層―(新潮新書) 作者:太田肇 新潮社 Amazon コロナ禍も「喉元過ぎれば…」ではありませんが、第7波では感染者数の記録を更新しつつも「行動制限のない夏休み」を強行したように、テレワークも一部のITを除けば随…

地政学入門/佐藤優

地政学入門 (角川新書) 作者:佐藤 優 KADOKAWA Amazon ロシアのウクライナ侵攻や中国の台湾侵攻の可能性が高まっていることなど、世界がキナ臭くなっていることもあって、地政学への関心が高まっているということで、”知の怪人”佐藤優さんが語る「地政学入門…

戦争犯罪とは何か/藤田久一

戦争犯罪とは何か (岩波新書) 作者:藤田 久一 岩波書店 Amazon ロシアのウクライナ侵攻以降、ニュースで”戦争犯罪"というコトバを耳にするようになったことに気づかれた方も少なくないとは思いますが、書店でこの本が面出しのディスプレイをされていたのにち…

歴史問題ハンドブック/東郷和彦、波多野澄雄編

歴史問題ハンドブック (岩波現代全書) 岩波書店 Amazon 先日、”知の怪人”佐藤優さんの外務省在勤時の上司だった東郷和彦さんが退官後に研究者として太平洋戦争時の歴史問題について語られた著書である『歴史と外交』を紹介しましたが、この本は日中戦争、太…

ルポ百田尚樹現象/石戸諭

ルポ 百田尚樹現象 ~愛国ポピュリズムの現在地~ 作者:石戸諭 小学館 Amazon 昨日、百田尚樹さんの大著『日本国紀』を紹介しましたが、この本は『日本国紀』が大きな反響を呼ぶなど、百田尚樹さんが大きな毀誉褒貶を巻き起こしている状況をレポートされた本…

日本国紀/百田尚樹

日本国紀 作者:百田 尚樹 Gentosha/Tsai Fong Books Amazon 以前、著者の百田さんがこの本の編集を手掛けられた有本香さんとの対談本である『「日本国紀」の天皇論』を取り上げましたが、そちらはこの本の番外編とも言うべきモノで、天皇制にフォーカスした…

ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本/嶋田毅

ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本 作者:グロービス,嶋田毅 東洋経済新報社 Amazon ”知の怪人”佐藤優さんやAPU学長の出口治明さんなど、昨今日本を代表する知性が、日本の教育における文系/理系の区分について苦言を呈されていて、日本…