2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

マルクス/白井聡

今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義 (講談社現代新書) 作者:白井聡 講談社 Amazon 日本の長期低落傾向故か、資本主義の限界が取りざたされるようになって久しいですが、そんな中で”知の怪人”佐藤優さんが『いま生きる階級論』など『資本論』につ…

考証鎌倉殿をめぐる人びと/坂井孝一

考証 鎌倉殿をめぐる人びと (NHK出版新書 679) 作者:坂井 孝一 NHK出版 Amazon 2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証チーフを務められた方が、鎌倉幕府初期に登場する人物たちを通して、鎌倉幕府の成立の過程を語られた本です。 個人的には、ストー…

表現したい人のためのマンガ入門/しりあがり寿

マンガ入門 (講談社現代新書) 作者:しりあがり 寿 講談社 Amazon 朝日新聞朝刊に連載されている『地球防衛軍のひとびと』で知られる漫画家のしりあがり寿さんが語るマンガの「描き方」です。 デビュー当初、結構ヒップな人々から絶賛されたことで知られるよ…

漢字はすごい!/山口謠司

漢字はすごい! (講談社現代新書) 作者:山口謠司 講談社 Amazon 先日紹介した『面白くて眠れなくなる日本語学』が文字通りバツグンに面白かったので、早速著者の山口さんの別の著書を見繕って手に取ってみました。 この本は言ってみれば『面白くて眠れなくな…

人は何歳まで走れるのか?/南井正弘

人は何歳まで走れるのか? 不安なく一生RUNを楽しむヒント 作者:南井 正弘 集英社 Amazon コロナ禍で2年くらいレースが中止になったこともあって、急激に走力が低下したこともあって、いつまで走れるのかな!?というギモンを感じつつ走り続けている中、こんな…

寿命が尽きる2年前/久坂部羊

寿命が尽きる2年前 (幻冬舎新書 669) 作者:久坂部 羊 幻冬舎 Amazon 以前『人はどう死ぬのか』を紹介した久坂部羊さんの近刊で、こちらも死生観について語られているのですが、『人はどう死ぬのか』が多少抽象的な色合いが強かったのに対し、この本は如何に…

今こそ学びたい日本のこと

S01 今こそ学びたい日本のこと 知っているようで知らない 日本人の心、食文化、職文化、信仰、地域の魅力など (地球の歩き方 旅の読み物) 作者:蜂谷翔音(マジカルトリップ),松本まさ(マジカルトリップ) 地球の歩き方 Amazon 自由旅行ブームを支えたガイドブ…

賢者の戦略/手嶋龍一、佐藤優

賢者の戦略 (新潮新書) 作者:手嶋 龍一,佐藤 優 新潮社 Amazon 一昨日の『動乱のインテリジェンス』、昨日の『知の武装』に引き続き手嶋龍一さんと佐藤優さんのインテリジェンスに関する対談本なのですが、どうもこの3冊で三部作ということを意図されていた…

知の武装/手嶋龍一、佐藤優

知の武装: 救国のインテリジェンス (新潮新書 551) 作者:手嶋 龍一,佐藤 優 新潮社 Amazon 昨日の『動乱のインテリジェンス』に引き続き、2013年出版の手嶋龍一さんと佐藤優さんのインテリジェンスに関する対談本の第3弾です。 この本でも尖閣問題やTPP…

動乱のインテリジェンス/佐藤優、手嶋龍一

動乱のインテリジェンス(新潮新書) 作者:佐藤 優,手嶋 龍一 新潮社 Amazon インテリジェンスについてのディープな対談本を多数出版されているお二方で、このブログでも再三紹介しておりますが、未読のモノがあったようですので、イッキに紹介していきたい…

年収443万円/小林美希

年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活 (講談社現代新書) 作者:小林 美希 講談社 Amazon 他のOECD諸国が経済規模を拡大し所得が急伸する中、日本のみ所得の伸びで取り残され、一人当たりGDPがOECD諸国の中で底辺を這うようになっているという認識がようやく…

70歳が老化の分かれ道/和田秀樹

70歳が老化の分かれ道 (詩想社新書) 作者:和田秀樹 詩想社 Amazon 『80歳の壁』など、最近はすっかり老人向けの著書の執筆に専念されているように見受けられる和田センセイの、そういった趣旨での著書です。 まあ、おっしゃっていること自体はどの本もほとん…

生物はなぜ死ぬのか/小林武彦

生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書) 作者:小林武彦 講談社 Amazon 『Wedge』かなにかで紹介していたような気がするのですが、理系関係の図書をできるだけ読もうとしているということで手に取ったのですが、結論から言うとこれが大当たりでした! 「死」を…

ルポアメリカの核戦力/渡辺丘

ルポ アメリカの核戦力: 「核なき世界」はなぜ実現しないのか (岩波新書 新赤版 1952) 作者:渡辺 丘 岩波書店 Amazon ロシアがウクライナ侵攻の暴挙に及んだ挙句、数日でカタをつけるはずがウクライナの思わぬ頑強な抵抗と、自国の拙攻で手詰まりになったが…

強豪校の監督術/松井浩

強豪校の監督術 高校野球・名将の若者育成法 (講談社現代新書) 作者:松井 浩 講談社 Amazon この本はコロナ禍前の2018年出版ですが、かつては有望な選手を全国からかき集めて、その選手たちをスパルタで鍛え上げて…というのが強豪校の通例だったと思うのです…

未来力/三木谷浩史

未来力 「10年後の世界」を読み解く51の思考法 作者:三木谷 浩史 文藝春秋 Amazon 楽天の創業者である三木谷さんが『週刊文春』に連載されていた『未来』をまとめた本です。 先日紹介した『突き抜けろ』が、三木谷さん周辺の人々が語る三木谷像だったのに対…

世界史のなかの近代日本/小風秀雅

世界史のなかの近代日本 作者:小風 秀雅 山川出版社 Amazon 昨今は日本史を世界史の大きな流れの中でとらえるように、学校教育でも方向転換が顕著なようですが、この本はペリー来航から日露戦争に至るまでの過程を「世界史のなかの」というのはちょっと言い…

この国は歪んだニュースに溢れている/辛坊治郎

この国は歪んだニュースに溢れている 作者:辛坊 治郎 PHP研究所 Amazon 元読売テレビのアナウンサーでニュース番組のキャスターとしても知られる辛坊治郎さんが昨今のニュースに絡めて、エッセイ的に語られたモノなのですが、タイトルにあるように、日本のメ…

部下の仕事はなぜ遅いのか/日垣隆

部下の仕事はなぜ遅いのか 作者:日垣 隆 三笠書房 Amazon 2015年に脳梗塞で倒れられ、回復の過程を『脳梗塞日誌』『脳卒中からの帰還』で語られた日垣さんですが、この本はそれ以前の2008年の出版となっています。 この本はタイトルだけ見ると部下の仕事の遅…

面白くて眠れなくなる日本語学/山口謡司

面白くて眠れなくなる日本語学 作者:山口 謠司 PHP研究所 Amazon これまでこのブログでも『宗教学』『社会学』版を紹介してきた『面白くて眠れなくなる』シリーズですが、今回は『日本語学』版を紹介します。 「面白くて眠れなくなる」シリーズは、様々な学…

0から1をつくる/本橋麻里

0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方 (講談社現代新書) 作者:本橋麻里 講談社 Amazon 平昌五輪で銅メダル、北京五輪で銀メダルを獲得し、カーリング人気を確固たるものになるのに貢献したロコ・ソラーレを創設した本橋麻里さんが、自らとロコ・…

政治と宗教/島薗進編

政治と宗教: 統一教会問題と危機に直面する公共空間 (岩波新書 新赤版 1957) 作者:島薗 進 岩波書店 Amazon 安倍元首相への銃撃を契機として、日本政界における統一教会との密接な関わりが取りざたされるようになりましたが、この本では統一教会と自民党を始…

聖徳太子 七の暗号/宮元健次

聖徳太子 七の暗号~「太子七か寺」はなぜ造られたのか~ (光文社新書) 作者:宮元 健次 光文社 Amazon 聖徳太子と言えば、あれだけの事績を残しながら、どこか暗い影を拭いきれないのは、結局天皇に即位しなかったとか、その後後継者の山背大兄王が蘇我入鹿…

古代国家はいつ成立したか/都出比呂志

古代国家はいつ成立したか (岩波新書) 作者:都出 比呂志 岩波書店 Amazon 古代史の研究家の方が、発掘などの研究の成果、文献の分析、さらにはマックス・ウェーバーの政治学なども交えて、日本における「国家」の成立について語られた本です。 200ページ余り…

1日4分世界標準の科学的トレーニング/田畑泉

1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始める「タバタトレーニング」 (ブルーバックス) 作者:田畑 泉 講談社 Amazon 「20秒の運動と10秒の休息」を数セット、合計4分のトレーニングを行うことで無酸素運動と有酸素運動双方の運動を行った効果を得ら…

タモリと戦後ニッポン/近藤正高

タモリと戦後ニッポン (講談社現代新書) 作者:近藤 正高 講談社 Amazon 2014年3月末に、31年間続いた『笑っていいとも!』の放送が終了するのを期にしてだと思われる、タモリさんの評伝を通して戦後ニッポンを語るといった趣旨の本です。 これまでもこのブロ…

突き抜けろ/三木谷浩史

突き抜けろ 三木谷浩史と楽天、25年の軌跡 (幻冬舎単行本) 作者:三木谷浩史 幻冬舎 Amazon 楽天グループの創業者である三木谷さんの評伝です。 三木谷さんが監修ということになっていますが、上阪徹さんというライターの方が執筆されています。 楽天を立ち上…

飛鳥/和田萃

飛鳥-歴史と風土を歩く (岩波新書) 作者:和田 萃 岩波書店 Amazon 日本の古代史を専門とされている方が、飛鳥の集落を時系列に沿ってたどりながら歴史を紐解かれた本です。 ワタクシ自身、明日香村から20km位のところに住んでいて、ムスメたちが小さい頃は高…

神主はつらいよ/新井俊邦

神主はつらいよ――とある小さな神社のあまから業務日誌 作者:新井 俊邦 自由国民社 Amazon SEとしてのサラリーマンから、お父様の急病で急遽神主に転身することになった方が、苦労話を語られた本です。 全国には20万社の神社があり、そのうち8万社が宮司を…

読書道楽/鈴木敏夫

読書道楽 (単行本) 作者:鈴木 敏夫 筑摩書房 Amazon スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんの読書遍歴を紐解くという趣旨の本ですが、言ってみれば鈴木さんの考えみたいなモノを読書を通して垣間見るという意図が垣間見られ、『仕事道楽』の続編…