0から1をつくる/本橋麻里

 

 

 平昌五輪で銅メダル、北京五輪で銀メダルを獲得し、カーリング人気を確固たるものになるのに貢献したロコ・ソラーレを創設した本橋麻里さんが、自らとロコ・ソラーレのの来歴を語られた本です。

 

 ロコ・ソラーレ創設以前も、地元常呂町を離れ強豪チーム青森トリノバンクーバーでの五輪に出場した本橋さんですが、トリノで7位入賞して「カー娘」と呼ばれるようになり、一定のムーブメントを起こしたものの、やはりマイナー競技の悲しさか、五輪から一定の期間が過ぎると忘れ去られることや、競技を継続する環境が厳しかったこと、常呂町の振興など様々な想いがあってロコ・ソラーレを立ち上げられたようです。

 

 かなり手探りでのロコ・ソラーレ立ち上げだったようですが、本橋さんには五輪出場時の「カー娘」としての知名度だけではなく、プロデューサー的な才能やトップ選手としての人脈を活かして、藤澤五月選手や吉田知那美選手などの選手をスカウトし、着々と強化を進め、ついには平昌、北京でのメダル、世界選手権への優勝など輝かしい成果を収めることになります。

 

 次第に本橋さんは選手としてよりも、GM的な活動に軸足を移すようになり、チーム運営や競技環境の拡充とカーリングのプレゼンス向上といったことに大いに貢献されるような活動をされているようです。

 

 最近はロコ・ソラーレばかりが目立つカーリング界ですが、実はかなり国内でも切磋琢磨があるようで、そういうライバル関係が目立つようになれば、もっと盛り上がるかもしれないですし、今後ともカーリングに注目したいところです。