飛鳥/和田萃

 

 

 日本の古代史を専門とされている方が、飛鳥の集落を時系列に沿ってたどりながら歴史を紐解かれた本です。

 

 ワタクシ自身、明日香村から20km位のところに住んでいて、ムスメたちが小さい頃は高松塚古墳の公園に遊びに連れて行ったり、ちょっと成長してからは高松塚古墳の女子群像の壁画を見に行ったり、昨年は飛鳥ハーフマラソンという、ほとんど平地がなく激坂が連続しながらも、飛鳥の遺跡群を眺めつつ走るマラソン大会に出るなど、かなり縁があったりします。

 

 蘇我入鹿が討たれる乙巳の変など、ひところは血みどろの政争も頻発するなど、今はそれなりの観光客が来つつも、かなりのどかな飛鳥の里で激動の歴史があったことを窺わせませんが、都は飛鳥の地を出入りしながら、天武天皇の時期になって天皇による統治を盤石のモノとする過程を見てきたことを思うと感慨深いモノがあります。

 

 この本では、蘇我氏が飛鳥の地を開いた5世紀から奈良遷都の8世紀初頭まで、都が飛鳥にない時期も含めて語られていますが、飛鳥のあそこであんなことがあったんだ!?と思うと、もう一度飛鳥ハーフマラソンを走りながら反芻してみようかな…という気もします。(フツーに歩きゃいいでしょ!?)