営業女子/太田彩子

 

 

 幾多の人材を輩出したリクルートの出身で営業職の女性をサポートする「営業部女子課」を主宰されている方が語られた女性の営業職の方々の今後の働き方です。

 

 この本は2016年に出版されているのですが、冒頭で営業職における女性の割合が15%でしかないことが紹介されています。

 

 著者の太田さんはもっともっと女性が営業職として活躍できるポテンシャルがあるにも関わらず、多くの日本企業における体育会的なマッチョ志向の体質が、ある意味門前で多くの女性を遠ざけてしまっているという側面があると指摘されています。

 

 中にはそんなマッチョな体質の中でありがちなセクハラ的な扱いも受けつつ生き残っているバリキャリな女性もおられますが、そういう人たちの多くはプライベートとの両立に苦慮しているということが多いんじゃないかということで、女性がプライベートも尊重しつつ、自分らしく活躍して行ける方向性があるんじゃないかという方向性を「営業部女子課」で模索された結果をこの本で紹介されているようです。

 

 よく言われるようにかつての少品種大量生産の場合は、いわゆる体育会的なゴリゴリの営業スタイルが有効だったのかも知れませんが、嗜好が多様化しており、多くの消費行動の最終決定権を女性が握っている中で、女性としての感性を活かすということもありますし、どちらかというと女性に優位があると思われる共感力や細かな配慮の行き届いた営業スタイルというものが求められているのではないかと指摘されていて、ワタクシ自身も大いに同意したいところです。

 

 そういう女性ならではの優位性と共に、結婚出産との両立といった意味で効率的に業務をこなしていこうという姿勢も紹介されていて、さらに優位性を高めて結婚出産といったハンディを超えて欠くべからざる人材となれるような戦略も紹介されています。

 

 コロナ禍を経て、旧来的な企業にも「働き方改革」を受け入れざるを得なくなったという側面もありますし、企業としても可能性を広げていくための方策として、積極的に「営業女子」のチカラを借りた方がいいんじゃないかという気もしますしね!?