孤独とセックス/坂爪真吾

 

孤独とセックス (扶桑社新書)

孤独とセックス (扶桑社新書)

 

 

 以前『誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)』を紹介した坂爪さんの著書なのですが、かなり重たい性愛論です。

 『誰も教えてくれない大人の性の作法』では草食男子の問題に触れられていたのですが、この本では、坂爪さんご自身の屈折した高校時代を紹介されていて、そういう性的に満たされない想いというのは、ワタクシ自身も記憶があるので、結構イタイ思い出と共に思い起こされました。

 で、隣のぶどうは酸っぱい、ということを例として挙げられていますが、結局そういう性的なことを否定するのは逃げだということで、その辺りは“孤独”が足りないとおっしゃっているのは、わかるけど、キビシイなぁ…と思います。

 その他、恵まれない境遇で育った女の人が、子供を持てばその後の人生が充実するんじゃないかと思って、子どもを持ったものの、ロクな教育を受けてこなかった影響で、満足な収入も得られない中で子供を持ってしまった悲劇となっていまうことを引き合いにだされています。

 性というのは根源的な欲望であるだけに、そのことが思いもしない余波を生み出してしまうようで、逃げずに“孤独”と向き合うことが、その後の生活の充実につながるということなのですが、高校生位で、そこまでストイックに自分に向き合えるって、なかなか高いハードルですよねぇ…