気にしない技術／香山リカ

気にしない技術 (PHP新書)

　勝間さんとのバトルでも知られる、自称ひきこもり気味の精神科医
の香山さんの著書です。

　勝間さんとのバトル本での、ネガティブキャラが印象的でしたが、
この本では、ダメダメキャラを前面に押し出されていて、ちょっと
意外な感じがしました。

　近年、特にサラリーマンを中心として、「うつ」の罹患率が急激に
上昇していますが、その原因が、ちょっとしたことを気にしすぎてし
まう人が多くなっているからだとおっしゃいます。

　他人から見ればなんでもないことを、さも全人格を否定されたかの
ように受け止めてしまうことが、得てして有り得るようで、ほんのち
ょっとした一言が、「うつ」に直結してしまうこともあるようです。

　そこで、この本のテーマの「気にしない技術」なんですが、コアと
なる考え方は、何かを言われる、何かがあった、ということをすぐに
感情に直結させることが、精神的な負担につながりやすくなるという
ことなので、一息おいて、ちょっと客観的に、その事象を見てみまし
ょうよ、ということなのです。

　まあ、マジメな人から見たら、無責任だとか、だらしないだとか
思えることも無きにしも非ずなんですが、そういう考え方が危険な
部分もあるので、ちょっとイイカゲンになってみるのも、精神衛生上
いいのかもしれませんよ。