数々の経済小説、歴史小説で知られる城山さんが、ご自身の経験、小説を書く上で出会った歴史上の人物についてのエッセイ集と言った感じです。
中曽根元首相に、宰相としての資質を尋ねたエピソードを紹介しているように、リーダーとしての資質と言うものを手掛かりに話を始められて、後は出てきた人の印象的なエピソードに従って話が流れていく、と言う感じでしょうか…
宰相とまでは行かなくても、リーダーたるひとは、「少しだけ」とは言えない「無理」をして、その役割を果たしていると思うのですが、ある意味その「無理」の部分が、率いられる人たちに取っての魅力になっているのかもしれません。
そういった「無理」の部分を様々に紹介されているのですが、『男子の本懐』の浜口雄幸や『落日燃ゆ』の広田弘毅など、かつて繰り返し読んだ本の主人公の「無理」を懐かしく読みました。