上司は部下の手柄を奪え、部下は上司にゴマをすれ/伊藤洋介

 

 

 慶應卒で、かつて山一證券に勤務しながら、シャインズというお笑いコンビを組んで、エリートコメディアンとして知られた伊藤さんの著書です。

 元コメディアンの著書でタイトルがこんな感じなんで、おちゃらけた本なのかな…と思って読み始めて、確かに部下が如何に上司に仕えるかという部分では、そういうトーンがあるのですが、上司が如何に部下と付き合うかというところから、段々とマジメなトーンが支配的になり、最後の“組織人としての生き方”みたいなパートでは完全にマジメモードで、21年の会社員生活にピリオドを打ったご自身の選択に多少の悔恨を交えながら「正しい」組織人としての生き方を語られます。

 『人事部は見ている。 (日経プレミアシリーズ)』の楠木さんの一連の著作を思い出しながら読んでいたのですが、やはり“サラリーマン”としては、如何に周囲と調和して行くか、ということが最も重要なんだということを改めて思い起こさせる本です。