システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」
- 作者: 前野隆司,保井俊之,白坂成功,富田欣和,石橋金徳,岩田徹,八木田寛之
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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慶応大学のシステムデザイン・マネジメント研究科という、特定の学部を持たない大学院で行われている、イノベーションの発生を促進するための考え方に関する研究を紹介した本です。
この本も、出口さんの推薦図書なんですが、既成の概念に捉われず、新たな発想をイノベーションにまでつなげるような枠組みを研究されているということで、その理論的な枠組みと、その考え方を適用したプロジェクトの紹介、最後に、ビジネスの現場における、この枠組みの適用に関する考え方を紹介されています。
システム思考とデザイン思考のいいとこどりというか、両方を組み合わせて、斬新な発想を、社会的な仕組みとして定着させるところまでの考えたスキームとなっていて、発想自体も天才的なヒラメキに頼るという訳ではなく、多様な考えを持つ人たちの発想を集めることで、そういったヒラメキに近いものを抽出しようというところから始まって、様々なフレームワークを駆使して、システマティックに発想から実現に向けて進め
ることを志向されています。
出口さんも指摘されている通り、日本のビジネスパーソンは自由な発想を苦手にしていて、ある意味、スキームの流れに乗ることで、発想を抽出するという考え方は、色んな意味で「発想」のハードルを下げるんじゃないかと、期待ができる感じです。