”人疲れ”が嫌いな脳/梶本修身

 

 

 東京疲労・睡眠クリニックの院長で、脳の疲労に関する専門家である方が、脳の疲労を避けるための人付きあいの在り方を紹介された本です。

 

 疲労というと、割と身体の疲労を思い浮かべがちですが、身体そのものが疲労困憊してしまうということは、昨今ほとんどあり得ないようで、人が感じる多くの疲労は脳の疲れだということで、さらにはその脳の疲れをもたらす最大の要因が人付き合いだということです。

 

 単純にイヤな人との付き合いだけが、疲れをもたらすワケではなく、自分では親友だと思っている人との関係性も実は大いに疲労をもたらしているケースも多々あるようで、人疲れとならないためには適切な距離感があるようです。

 

 若い女性にありがちな、やたらとベタベタした関係性も、かなり疲れをもたらすようで、時には一人になることも精神衛生上、かなり重要だということです。

 

 また、あまりなじみのない人と接するのもストレスですが、そういう場合は聞き役に回って、相手の話を聞いているウチに自分のスタンスを整えるといったことも可能なようですし、自分の話を聞いてくれる人には好意を抱く傾向が強いことを利用して、よい関係性を築きやすいというメリットもあるようです。

 

 なかなか人との良い距離感というのは難しいモノだとは思いますが、その一つのヒントとしてアタマの片隅においておけば、煮詰まることが少なくなるんじゃないかと思えます。