フロー体験 喜びの現象額/M/チクセントミハイ

 

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

 

 

 『年収を上げる読書術』の推薦図書もあと3冊、最後の1冊がとこの図書館にもないのでどうしようかなと考えているところなのですが…

 「フロー体験」っていうとちょっと聞きなれない人が多いコトバだと思いますが、スポーツに関心のある方であれば「ゾーン」というコトバを聞いたことがあるかと思いますが、それに近い概念のようです。

 要は何らかの行為に没頭していて、それ以外の余計なことを考えていない状態のようですが、この本ではその状態が「最上の喜び」だとしています。

 「ゾーン」をご存じの方だったら、そういう状態を体験するのはかなり稀なことであるイメージをお持ちだと思いますが、この本ではそういう「フロー状態」というモノを意識的に招き寄せる術があるということです。

 カンタンに言うと目的意識をもって、自分が夢中になってやれるであろうことに取り組むということなのですが、かなりその状態を研ぎ澄ませていく必要があるようです。

 その状態っていうのは、突き詰めていくと逆境の時でも「フロー体験」を迎えることができるようで、例えば、マイナスの状況の時であっても、それをプラスに転化させるようなモノの考え方ができるようになるということです。

 そういうと凡人である我々には難しいようですが、食べることでもセックスでもゲームでもいいようなので、それだったら…

 

異端のススメ/林修、小池百合子

 

異端のススメ

異端のススメ

 

 

 

異端のススメ

異端のススメ

 

 

 昨日に引き続き小池東京都知事関連の本です。

 この本は、小池さんが都知事になるなんて話も全くない頃に、林さんに対談本の企画が持ち込まれて、女性の政治家との対談を思いつき、ダメ元で小池さんに依頼されたところ、快諾された、という経緯でできた本です。

 「異端」ということなんですが、小池さんもカイロ大学に留学し、キャスターとなるも細川元首相に誘われて日本新党から立候補して国会議員になり、さらには反対を押しのけて東京都知事に立候補し、当選したということで、なかなかの「異端」と言えます。

 林さんも当時花形だった長銀をわずか5カ月で辞め、元々英語が得意だったのに、当時在籍していた予備校の国語の教師にだったら勝てそうだ、ということで国語の教師に転身して成功したということでなかなかの「異端」です。

 その「異端」なお二方の対談なのですが、お二方の若き日はともかく、現時点で他の人と同じであることのリスクを強調されます。

 林センセイは「ブルーオーシャン」と言われていますが、ご自身も予備校の国語教師という「ブルーオーシャン」に進出して成功したように、他の人と「違う」ことが様々な機会をもたらしてくれる可能性があり、恐れるべきモノではないと語られ、小池さんもハゲしく同意されています。

 そういう「強さ」こそが、お二方が抜きんでた存在になることができた源泉なのかもしれません。

 

女子の本懐/小池百合子

 

女子の本懐―市ヶ谷の55日 (文春新書 602)

女子の本懐―市ヶ谷の55日 (文春新書 602)

 

 

 小池東京都知事がかつて務められた防衛大臣を辞任した後に書かれた本です。

 防衛大臣としての日々を、日経形式で綴られている内容で、かなり興味深いもので楽しく読めたのですが、中身が濃くて意外と読み切るのに時間がかかりました。

 結構「今だから話せる」的な個人的な感想も漏らされているのですが、政治家の回顧録にありがちな、やたらと自身の成果をひけらかすことに終始するのではなく、元ニュースキャスターとしての性がそうさせるのか、どこか客観的というか、突き放したような語り口が印象的です。

 当時、女性初の防衛大臣就任ということで話題をまいた小池さんでしたが、その後収賄で逮捕されることになる事務次官との人事関連の軋轢が原因で、わずか55日でその職を辞することになりました。

 東京都知事としての地位もまた、守旧派との闘いの構図となっているようですが、今回もまたシガラミに屈するのか、公約で抱えている通りのクリーンな都政を実現することができるのか注目されるところです。

 

ジャポネス・ガランチード/下薗昌記

 

ジャポネス・ガランチード--日系ブラジル人、王国での闘い (サッカー小僧新書EX003)

ジャポネス・ガランチード--日系ブラジル人、王国での闘い (サッカー小僧新書EX003)

 

 

 日系ブラジル人のブラジルサッカー界での苦闘を追った本です。

 タイトルの「ジャポネス・ガランチード」というのは、ポルトガル語で「保証付きの日本人」と言う意味で、その勤勉さ、誠実さゆえに、ブラジル社会での信頼を勝ち得て行った日系人を象徴する言葉なんですが、それに反してサッカー界では、サッカーが下手だという意味の「ジャポネス」というスラングがあったくらいで、日本サッカー界の黎明期に来日して大活躍したネルソン吉村も若い頃に、日系人だというだけでパスが回ってこないという苦い経験をしたそうです。

 それでもセルジオ越後さんのように、少数ながら強豪で活躍した日系人がいたようで、そういった人々を紹介されています。

 ただ、未だブラジル代表に選ばれた日系人は出てきていないということで、いつかその日が来ることを心待ちにしたいです。

 

 

カレーライスの謎/水野仁輔

 

カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)

カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)

 

 

 この方「東京カリ~番長」という、イベントなんかでカレーを出張提供する組織の「調理主任」ということで、カレーについての本を書かれたということのようです。

 元々そこまでカレーにハマるだけあって、本格的なカレーへの傾倒が強く「おふくろのカレーが一番!」と世間でよく言われるフレーズに相当反発されていたそうなのですが、ふとしたキッカケでバーモントカレーを推奨のレシピ通りに作って食べてみたら、その美味しさに衝撃を受けたようで、その経験を通してこの本を書かれたようです。

 この本は日本におけるカレーライスの変遷を辿っていく内容なのですが、その普及において決定的な役割を果たしたカレールーについての記述が大部分を占めます。

 元々インド料理には、現在我々が食べているようなカレーライスと言ったカタチの食べ物は無いそうで、カレーライスの原型となったのは、インド料理を手軽に食べられるようにとイギリスで開発されたカレー粉だということです。

 その後日本にカレー粉が入ってきて、カレールーが開発されるのですが、このルーの出現がその後のカレーライスの普及に大きく貢献したということです。

 というのも、カレー粉や小麦粉を混ぜて、味付けをして…と言うのがかなり手間がかかるということで、それらを混ぜたルーを煮込んだ材料に混ぜるだけで、誰でも安定してそこそこおいしいカレーを作ることができるということで、主婦に受け入れられたことが大きいようです。

 結構懐かしいのが、カレールーの商品の変遷で、バーモントカレーやジャワカレー等々、ムスメ達が小さい頃、やたら家で出てくるカレーが甘くてストレスだったなぁ…などと思い出しながら…

 こういう多くの人の人生のターニングポイントを象徴するような出来事を思い起こさせるカレーは、まさに日本人の「国民食」なんだなぁ、と実感させられる本でした。

 さあ、今からカレー作ろっと!

 

眠りながら巨富を得る/ジョセフ・マーフィー

 

マーフィー 眠りながら巨富を得る―あなたをどんどん豊かにする「お金と心の法則」 (知的生きかた文庫)

マーフィー 眠りながら巨富を得る―あなたをどんどん豊かにする「お金と心の法則」 (知的生きかた文庫)

 

 

 潜在意識を活用する「マーフィーの法則」の本です。

 この本は「巨富を得る」とあるように、潜在意識を活用して経済的に豊かになる方法を紹介されています。

 「マーフィーの法則」の本を読んだことのある人はご存知でしょうが、望むことを強くリアルに思い浮かべると、そのことが実現するということで、それは経済的に豊かになる場合も同様です。

 印象的だったのが、「現在の生活に満足している人は、将来への不安はない」といった趣旨のことが書かれているのですが、それくらい「信じて」いることが必要なんですね…

 でも、読んでて思ったのが、「マーフィーの法則」って、一神教の宗教の国だからこそ生まれた考え方なんじゃないかなぁ、と…

 

その幸運は偶然ではないんです!/J・D・クランボルツ、A・S・ボルツ

 

その幸運は偶然ではないんです!

その幸運は偶然ではないんです!

 

 

 最終盤と言いつつ、あと数冊『年収を上げる読書術』の推薦図書が続きます。

 この本は主に「天職」に関するものと言ったらいいのか、結果として望ましい職を手に入れた人たちのことを取り上げられています。

 でも、だからと言って必ずしも始めからその職を目指していたわけではなくて、最初に目指していたところを断念して、と言う人がほとんどだったりします。

 よく我々は子供や学生たちに向かって、「将来何になりたの?」などと聞くことがありますが、オトナである我々にしても将来のことはよくわからないのに…とこの本の中で揶揄されています(笑)

 しかもそれを言わせることが、その子にとって思わぬ「重荷」になってしまうこともあるようです。

 もちろん何かを目指して努力をするということは重要ではあるのですが、決して当初目指していたところに辿り着かなかったからと言って、必ずしも「失敗」だというワケではなくて、むしろ最初の目標設定時の認識不足だったり、辿り着いたところが思いの外素晴らしいところだったりするわけです。

 だから、目の前のことを誠実にこなし、いろんな可能性にオープンでいることが、望外の幸運をもたらすことがある、ということをアタマの片隅においておくことが重要なようです。