上司取扱説明書/藤野祐美

上司取扱説明書―MBA流ボスマネの極意

上司取扱説明書―MBA流ボスマネの極意

 アメリカでは、ボスマネジメントってビジネススクールの科目に
なるくらいポピュラーと言うか評価の定まったスキルだったんです
ね、というのがまず第一の驚き。

 何度か、このテーマの本を読んだのですが、この本がロジカルに
内容が整理されている点といい、普段のシーンへの適用例の引き方
の的確さといい、ダントツにすばらしかったと思います。

 まず、部下としては、いろんなシーンで上司への不満を述べます
が、翻って、上司から見た部下としての自分がどうなのか…
 ちょっと考えると怖くなりますね。

 大体、部下が自分自身を、押しなべて20%増しで評価しているら
しく、さらに、上司は部下を20%減で評価しているという、何かの
統計結果があるようで、いってみればそこに40%の乖離があるわけ
で、そのギャップを正しく意識しないと、当然不満になりますよ
ね、というのがまず1点。

加えて、上司の受取り方というか、著者は仕事の遂行スタイル
みたいな表現をされていますが、そういうものをある程度意識
して、こちらからアプローチしてみることで、ずいぶんと対応が
変わってくるといいます。

 大前提として、上司は変わらないモノであるから、こちらが
変わらなくてはいけないとよく言われますが、この本のいいところ
は、そこから一歩踏み込んで、考え方を変える必要はないけれど
アプローチを変えてみるだけで、全然結果が変わってくるんだよ、
といわれています。

 多分、多くの人が、この本のようにできれば、会社生活が随分
ラクになるんだろうな、と思います。