Zero to One/ピーター・ティール

 

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

 

 

 昨日の『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』に引き続き、藤原和博さんの『本を読む人だけが手にするもの』の推薦図書のうち、アメリカにおける新たなビジネスの潮流に関する括りの中の1冊です。

 著者のティール氏は、ネット上の決済基盤であるPayPalを立ち上げられた方で、伝説的な起業家の一人ということなのですが、その方が語る「起業論」です。

 この本の中でティール氏は再三「賛成する人がほとんどいない、大切な真実ななんだろう?」ということを読者に問いかけられます。

 ちょっと禅問答チックな感じのする問いかけなのですが、この問いかけに対する答えこそが、起業において目覚ましい成果を上げることにつながるアイデアの種となる、ということです。

 既存のアイデアの改良版であっても、一時期はそれなりの成果を上げることは可能かもしれないけど、そういう漸進的な考え方に基づいたビジネスモデルだと、いつか模倣に遭ってコモディティー化し、利益を上げることができなくなってしまうことになるということで、長期的に高い利益率を確保しようと思ったら、当初は誰もが否定するようなアイデアじゃないといけない、ということです。

 この本ではそういった“イノベーション”につながる考え方というのを色々挙げられているのですが、ある意味常識ハズレのものを集約しているので、難解なところもあります。

 でも、そういうことを咀嚼できるということが、目覚ましいアイデアにつながるのでしょうか…