出版・新聞絶望未来/山田順

 

出版・新聞絶望未来

出版・新聞絶望未来

 

 

 池上さんと津田さんの対談本の『テレビ・新聞・ネットを読む技術』で推薦図書として挙げられていたので手に取ってみました。

 この本は2012年の出版で出版社出身の方が書かれたモノなんですが、何とも救いのないタイトルでまずはそこの驚かされます。

 冒頭から半分過ぎ位のボリュームを費やして電子出版がなかなか普及していかない状況について紹介されているのですが、これはこの本の出版から5年以上経った現在においてもそれほど状況は改善していないことに驚きます。

 さらに紙メディアの方も書籍や新聞など軒並み部数は右肩下がりで、クールジャパンということで国がチカラを入れているはずのマンガですら例外ではないということです。

 ということで新聞社などではネットでの展開を模索しつつあるのですが、記者クラブでの横並びでどこでも代り映えしない紙面の各社とも、有料でのネット購読者を取り込むことができずにいて、こちらも5年後の現在にしてあまり状況は変わっていません。

 そうなると編集力など活字メディアが培ってきた伝えるためのノウハウが廃れていくことを危惧されているのですが、この本の出版以降現在に至るまで根本的なテコ入れはされているようにも思えず、タイトル通り活字メディアは「絶望未来」ということになってしまうのでしょうか…