極上の孤独/下重暁子

 

極上の孤独 (幻冬舎新書)

極上の孤独 (幻冬舎新書)

 

 

 『家族という病 (幻冬舎新書)』で知られる下重さんが“孤独の愉楽”を語ります。

 東日本大震災以降、やたらと“絆”が重視される風潮にありましたが、そういうのにも疲れる人が少なからずいらっしゃるようで、ここ2年位、“孤独”に関する本の出版が相次いでいますし、この本が出版された当初も大きな話題となって、下重さん自身がテレビ番組の『世界で一番受けたい授業』に講師として、この本の主旨をレクチャーされるという取り上げ方をされていました。

 まあ、内容としては『家族という病』同様、“孤独”に纏わる下重さん自身の考えをエッセイ風に語られるという感じです。

 多くの“孤独”本でも言及されているように、日本人はすぐに“孤独”を“寂しい”という感情と結びつけてしまって、マイナスに捉える人が多いのですが、幼少期に病気で孤独な環境を強いられた下重さんは、その中で孤独のなかに“愉しみ”を見出して、長じてからもそういう感情を持ち続けたということもあるようです。

 “孤独”を扱う自己啓発本だと、思考を深めるとかといった意義を語られますが、単身赴任中のワタクシも覚えがありますが、確かに寂しさと結びつく場面もありますが、かなり“愉しみ”に思えるのも確かなので、この本で下重さんが書かれていることに、結構共感を覚えます。

 まあ、やたら孤立する必要もないのですが、時には“孤独”でいることに積極的な楽しみを見出すこともできますし、要はバランスですよね!?

 それに人は、特に日本人は、群れるとロクなことをしないですしね!?(笑)