小田和正さんが2017年に放送されたNHK BSプレミアムの『100年インタビュー』という番組で語られた内容がまとめられた本です。
実はワタクシ、初めて買った音楽のメディアが、オフコースのベスト盤『SELECTION 1978-81』のカセットテープで、ひと頃オフコースに相当傾倒して、あまりソロになってからはちょっと熱が冷めてしまったのですが、今なおオフコースの曲は時折思い出して聞いたりしています。
内容としてはこれまでの人生を振り返るといったモノで、高校時代からデビュー、オフコースの解散を経て、ソロアーティストとしてのキャリアを振り返るといった感じで、テレビ番組なんでそれほどマニアックな内容はなく、ホントにサラッと人生を振り返るというモノです。
小田さんというと、特に2人時代のオフコースのイメージでは詩人のような感じがするのですが、小田さんの入学時は新設校だったモノの、今やそこそこ強豪ひしめく神奈川県で時折甲子園にも出場する桐光学園で野球をされていたというのはこの本を読んで初めて知りましたが、そういわれれば小田さんって一度テレビの企画で、青木功さんの公式戦でキャディをしたくらいの実力はあったんでしたよね…
オフコースでのキャリアは5人時代までは、山際淳司さんによる『Give up』なんかで読んだのである程度は知っていたのですが、やはり長年の相棒であった鈴木康博さんの離脱は相当堪えたようで、自身の音楽のキャリアも終わりだと思われていたということをおっしゃられているのが印象的です。
どうしてもオフコース時代、特に好んで聞いていた二人での時代のイメージが自分の中で大きく、苦虫をかみつぶした気難しいイメージが抜けませんが、近年若手のアーティストと盛んに交流されたり、ツアーの際に訪問地での散策をSNSで公開したり、ステージでは「花道」をしつらえるなどのファンサービスに積極的に取り組まれるなど、小田さんも丸くなったもんだ…と思うのですが、ご本人によると「境地」とおっしゃっていますが、70歳代に突入しても未だ原曲のキーを変えずに、トレードマークであるハイトーンボイスで、全国ツアーで歌い続ける頑固さは、小田さんだなぁ…と感じてうれしくなります。
何にせよ、できる限り長く活躍を続けてほしいものです…