ターニングポイント/金子達仁

 昨日、「トップアスリートの決断力 (アスキー新書 034)
を読みながら、この本のことを思い出したので、再び手にとっ
て見ました。

 やっぱり、この人、上手いわ…

 というのも、昨日との比較で言うと、同じようにターニング
ポイントをテーマに設定していながら、全体での統一感を出せ
なかった昨日の本に比べて、こちらの方は、スポーツに限らず
さまざまな分野の人を対称にしているにも関らず、全体として
流れる統一感に確固としたものを感じます。

 というのも、構成力というか、連載をする上で、何か統一
した雛形というか、金型を用意しておいて、それに取材や
インタビューをして得た素材を流し込んでいると感じるほどの
強固な「型」を感じさせます。
 といいながらも単調になるわけでなく、改めて読んでみると
著者の力量にうならされました。

 何かの書評で、この本を、インタビュー構成の著作での名作
といわれる、沢木耕太郎の「若き実力者たち (文春文庫)
になぞらえるものがあって、当時は、何を大げさな、と思いま
したが、改めて読み返してみて、なるほどなと思いました。