40歳からの勉強法/三輪裕範

四〇歳からの勉強法 (ちくま新書)

四〇歳からの勉強法 (ちくま新書)

 最近、この手の勉強本って、手取り足取りで懇切丁寧に、別の
言い方をすると、読者を子供扱いしている本が多いのですが、こ
の本は、そういう意味で言うと硬派です。
 ちゃんと、一端のオトナが一念発起して勉強をする決心をした
という前提で、じゃあ、こうしてみれば?というアドバイスの
ように感じます。

 例えば、まず勉強の目標の設定の仕方がいいです。
 1年に600時間の勉強をするように時間を作りましょう、
というのがまず最初のハードルになるのですが、じゃあ、その
600時間が何かというと、それだけある分野のことを勉強す
れば、一端の専門家になれる、という時間を指しています。
 その時間を確保するための方法論って言うのは、どこかで見
たことのあるような、内容なのですが、この動機が違うことで
なんとなく、実利的に見えます。

 あと、新聞や総合月刊誌、書物の質の見分け方、活用の仕方
など、こういう成熟した観点は非常にありがたく感じました。

 ただ、英語に関しては、ワタクシ自身が子供じみた手法を
推奨しているだけあって、ちょっと相容れないものがありま
したけどね(笑)