信じる者は救われない/内藤誼人

信じるものは救われない

信じるものは救われない

 何か、すごく内藤センセイらしいポジショニングの本だなあ、というのが
第一印象です。

 と言うのも、「ブラック」な本で偽悪者を装いながら、実はアツい情熱と
言うか、すごく親身なところがあるセンセイの裏表を見事につかんでいる
なあ、と思ったからです。

 まず、人を性悪説で捉えると人間関係が上手く行く、ということで、他人に
過度の期待をしないことで、他人からの失礼な対応などに、そんなもんだ、と
思うことで、必要以上に不快な思いをすることを避けると言うことです。

 それに対して、自分自身が時には、ある意味性悪説的な態度をとることで、
相手の行き過ぎた態度を咎める、というテクニックを紹介されています。

 ある意味、フツーと言う感じなんですが、こういう風に、人間の根源的な
問題から語られると、厳かな気持ちになりますね。