世界一利益に直結する「ウラ」経営学/日垣隆、岡本吏郎

世界一利益に直結する「ウラ」経営学

世界一利益に直結する「ウラ」経営学

 日垣さんが、『会社にお金が残らない本当の理由』の岡本吏郎さん
と対談した本がある!!と言うことで小躍りして手にとって見ました。

 まったく期待に違わぬ内容で楽しんで読んだのですが、読み終わって
みて、このタイトルを振返ると、両著者の世間的なイメージだけでつけ
たな!という、編集者のあざとさを感じなくもなかったのですが…(っ
て、日垣さん自身がつけてたりして…)

 ようするに、世間一般の中小企業の経営者たちはやれていないかも
知れないけれども、論理的に考えて、至極真っ当なことを、この本の中
では、終始お話されています。

 例えば、「安売り」についてなんですが、よく価格を上げるとお客さん
がいなくなってしまう、ということで、「安売り」で顧客数を増やして
売上を上げようとするのですが、結局期待したほどには、顧客数が増えず
に、破滅へと突き進んでしまうことを指摘されています。

 裏づけなしに価格を上げるのは、商売人の倫理としてどうなの?という
のはあるんですが、それだけでも、売る側の姿勢が変わると言う効果も
見込めますし、買う側が、勝手に「価値の高いものなんだ」と思い込んで
くれる、という効果もあるということです。

 怖いな、と思ったのが、人間は「困れば困るほど「現状維持」の罠に
はまる」と指摘されていることなのですが、そういう状況になると、どう
しても現実を直視しなくなってしまう、ということのようです。

 経営のテクニカルなことを期待されて読むとどうかわかりませんが、
経営をしていく上の姿勢として、この本を念頭に置いておくことは、そう
いう「現状維持の罠」にハマらないためだけでも、相当な効果があるんじゃ
ないか、と感じました。