ボクサーからライターに転身し、さらにはアメリカで教壇に立たれているという異色の経歴の持ち主である方が書かれた、日本の育成世代のサッカーを扱った本です。
以前紹介した加部さんの『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』では、サッカーの育成における問題点がテーマでしたが、こちらの本は、タイトルのイメージとは異なり、どっちかと言うと理想的な育成のあり方を実践されているところを紹介さ
れている印象が強い本です。
ドルトムントやミラン、インテルなどの育成や、かつてサッカー処と言われた浦和や清水での育成、育成で定評のあったヴェルディでの取組など、ある程度の成功例を紹介されています。
その上で、アルゼンチンやイングランドといったサッカー先進国からの視点で日本のサッカー選手の育成について紹介されています。
最大の問題としては、指導者が「教え過ぎて」しまうことがあるようで、コーチが知らず知らずのうちに自分の考えを押し付けてしまうことが多いということで、「自分で考える」ことのできない選手になってしまうことが指摘されています。
今後、「自分で判断できる」選手を如何に育てていくかと言うことを真剣に考えていかないと、日本のサッカーはアタマ打ちになってしまうんだろうなぁ…と感じます。