平成幸福論ノート 変容する社会と「安定志向の罠」 (光文社新書)
- 作者: 田中理恵子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 新書
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昨日紹介した『女子会2.0』にも参加されていた水無田気流さんが本名名義で書かれた本です。
『女子会2.0』では座談会形式で、発言を取り上げられていたんで、カジュアルな印象だったのですが、この本は、社会学者の顔で語られているのか、かなり生硬な語り口です。
高度経済成長期以降の「幸福」の変遷を語られているのですが、このブログでも再三著書を取り上げている出口治明さんが、欧米キャッチアップ型のビジネスモデルの崩壊を主張されていますが、そういう部分がビジネスの世界だけではなく、日本人のライフスタイルにも表れているんだな、ということを痛感させられます。
さらには、ジェンダー論で最近よく語られる専業主婦幻想の崩壊についても取り上げられていますが、そういった中で、経済的な充足=「幸福」なのか、ということについて疑問を投げかけられます。
戦後日本はそこに疑いをさしはさむことなく突っ走ってきた面があるのですが、段々とアメリカ的なライフスタイルが風化していくにつれ、そこに疑問を持つ人が増えてきており、そうでなければシアワセになれるんじゃないか、と思えるところが多々ありました。
そういう側面って、もっとクローズアップされるべきなんじゃないか、とも思います。