女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法/美達大和・山村サヤカ&ヒロキ

 

 

 殺人による無期懲役囚とちょっと変わっているけどごくフツーの女子高生とその弟との文通によって構成された本です。

 そもそもこの二人のお母さんが無期懲役囚・美達さんの書いた『人を殺すとはどういうことか』を読んで美達さんに手紙を書き、その手紙の深さに感銘を受けて、ムスメたちに手紙を書いてみたら…という破天荒な経緯で始まった文通のようです。

 タイトルに「勉強法」とありますが、勉強法に限らず「生き方」に近いモノで、美達さんは無期懲役囚ではありますが、犯罪者にありがちなすさんだところはなく、どっちかというと真逆の“求道者”ともいう佇まいを感じさせる人物です。

 「1万人に1人」というのは本の中に出てくる「99.99%の人は自分に甘い」というところから来ているんだと思うのですが、若い頃に自分がやるべきこと、もしくはやると決めたことを丹念にやり続けるクセをつけることで、その後の人生において思い描いたようなことを実現できるということです。

 ただ、ほとんどの人はそれができていないので、なかなか思い通りの人生を送れないということのようです。

 それにしても、この静かな熱意には、ココロを揺さぶられるモノがあります。