「教養」を最強の武器にする読書術/樋口裕一

 

「教養」を最強の武器にする読書術

「教養」を最強の武器にする読書術

 

 

 以前「知の巨人」立花隆さんが「知の怪人」佐藤優さんとの対談本で、最近は教養身に付けるためにどんな本を読めばいいかと尋ねてくる学生がいる、といった趣旨のことをおっしゃっていて、教養を手っ取り早く身に付けようとする風潮があることを嘆いておられて、佐藤さんもそれに同意されていましたが、そこで切り捨てられた学生さん、こんな本がありますよ!

 まあ教養を身に付けるために読書が不可欠だということをアタマから否定する人はそんなにいないと思いますが、全然読書の習慣の無い人に、立花さんのような切り捨て方をしていまうと、「教養」の入り口で拒絶されたような気になる向きもあるでしょうから、こういう本のによる救済も意義があるのかもしれません。

 この本では文学や実用書などをバランスよく読むことをススメられていて、かつ年代別の「読み方」にも触れられていて、オジさんたちも救済してもらえます。

 実用書の方では12のジャンルごとに樋口さんのおススメが紹介されていて、それを読めばノンフィクションの部分を一通りカバーできるということで、さらに興味がわいた分野について深堀していくことを推奨されています。

 文学の方では「らくらく読み⇔じっくり読み」「人間模様⇔思想」の2軸で作家を分類し、それぞれの象限の本をどうやってカバーするかについても紹介されています。

 そんな中であんまり本を読む習慣がない人が本を読むときに1つだけ留意しておくべきだということで紹介されているのが「国語」的な読み方をしないということだそうで、ムリヤリ何らかの「教訓」を絞り出そうとするのではなくて、自分がどう感じるか、ということだけに集中すればよいということで、それで随分と気がラクになる人もいらっしゃるかもしれませんね。