日本のマラソンはなぜダメになったのか/折山淑美

 

 

 日本の男子マラソンでは2002年の高岡選手以来、15年以上にわたって日本記録が更新されていないのですが、その間に世界記録は2時間2分台を伺うようになっており、かつて世界をリードした日本のマラソン界は世界の潮流から取り残されて久しい状態です。

 そんな中でかつて日本記録保持者だった7人のランナーの、ご自身の取組と彼らから見た現在のトップランナー達の取組がどう見えるかについて語られます。

 よく言われるのが「練習が足りない」ということで、この本で取り上げられている方たちにも、それを挙げられる方もいらっしゃるのですが、世界トップクラスのマラソンランナーと比較してスピード面でのビハインドに着目して、スピード練習を重視するランナーが多くなり、練習での走行距離の減少傾向は強まっているようです。

 それでもスピードを重視した練習のはずが15年前の日本記録に遠く及んでない現実は無視すべきでない処だといえます。

 この本の中で、トップの才能を持つ選手が、公務員ランナーとして名高い川内選手のような泥臭い練習を積めば世界に伍して行けるのかも…とおっしゃっている方がいましたが、最近のトップランナーはキレイに練習をしようとする選手が多いようで、そういうキモチの部分にも原因があるのかもしれません。

 いずれにせよ、こういうオッサンたちを黙らせるような“結果”が欲しいものですよね!?