日本のインバウンド観光の在り方について外国人の観点から語ってベストセラーになった『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』のデービッド・アトキンソンさんが語る観光立国の「実践編」です。
『新・観光立国論』では、本腰を入れてインバウンド振興に取り組み始めた日本の観光立国に向けた課題を語られていましたが、この本ではその課題の克服に向けた対策について語られます。
『新・観光立国論』を紹介した時に、アトキンソンさんみたいな人をコンサルタントとして雇えばいいのに…って書きましたが、その後観光庁の顧問をされているようですね。
『新・観光立国論』が出版されて以降、結構目覚ましい躍進をしたようですが、アトキンソンさんによると、無策だったモノが、多少の策を講じたことで、それが効いたというだけのことで、今後世界のトップと伍していくためには、戦略的に取組んでいく必要があるようです。
以前は、全くと言っていいほどインバウンド振興についての戦略が無かったワケですが、今後はターゲットをしっかりと定めて、そこに向けてどうやってアプローチしていくのかというグランドデザインを行った上で、具体的な戦略を立案していくことを提唱されています。
ここ数年は“爆買い”の中国人などといった棚ボタ的な恩恵で成果が出ていたワケですが、今後は長期に滞在してくれて、より多くのおカネを落としてくれるターゲット…具体的には、欧米の富裕層特に旺盛な遠出の志向があるドイツ人…をいかに誘致するかということについて、具体的な実績や可能性のデータを踏まえて詳細な戦略を提案されています。
でも、忖度まみれのこの国の官僚にこんな戦略を立案できるんですかねぇ!?