駅をデザインする/赤瀬達三

 

駅をデザインする (ちくま新書)

駅をデザインする (ちくま新書)

 

 

 先日紹介した『オリンピックと万博』で紹介されていたので、手に取ってみたのですが、なかなかスゴいです。

 作者は駅に関するデザインを手がけられている方で、営団地下鉄(現在の東京メトロ)で案内表示の統一基準を作られたと言うことで、駅に関するデザインの第一人者ということです。

 一口に駅のデザインと言っても、案内表示のデザイン、建造物のデザインなど多岐にわたるワケですが、数多くを遅滞なく捌く必要があると言う施設の性質から、かなり色んな配慮が求められるようです。

 例えば乗換えをスムーズにするために案内表示を分かりやすいことも重要ですが、降りたところから乗換え先への見通しが良いとか、十分な通行スペースの確保、動線の短
さといった点を考慮する必要があるということです。

 その辺りの事情を赤瀬さんがこれまで手がけられてきた駅や、世界中の代表的な駅を例に取って紹介されます。

 その中で赤瀬さんが特に酷評されているのが新宿駅で、数多くの路線の乗換えがあるにもかかわらず、見通しは悪いわ、案内表示がマチマチだわで、ケチョケチョにけなされています。(確かに、あまり新宿になじみのないワタクシはタマに行くと必ず迷います…)

 この本を読むと駅を見る目が変わりますので、鉄道マニアじゃないひとに手に取ってもらいたいです。