気がついたら出口さんの新作がモノ凄い勢いで出版されていて未読がたまってきていたので、急いで追い付こうと思います。
ということで好評の世界史関連の著書なんですが、今回は“戦争と外交”にフォーカスした本なのですが、人類が如何にして戦争を避けるための英知を蓄積してきたかということがメインテーマかと思われます。
あとがきに、ケンカの時についハズミで相手をポカリとやってしまうことについて触れられていますが、それを国家レベルでやってしまった場合に、かつてとは違って科学技術が進化した現代では地球全体のレベルで存亡の危機になってしまうので、人類全体が生き抜いて行く術としてそういった英知を身に付けざるを得なかったという側面もありますが、古代から現代までの外交努力の進化をこうやって並べて紹介されると、その進化に驚きます。
特に第一次世界大戦後のベルサイユ体制で一度は世界平和のフレームを築こうとしたものの、一部の指導者の行き過ぎによりヒトラーを生み出してしまった反省から、アメリカのルーズベルト大統領主導の下で構築された体制は曲がりなりに現代に至るまで世界大戦を再発させずにすんでいます。
ただ歴史が証明するようにこういうスキームは一部の権力者の暴走でカンタンに崩れてしまいかねないモノで、昨今の各国でのポピュリズムや極右の台頭を見ると、そういったリスクが決して遠いモノではないと思わされます。
特に日本では韓国との深刻な対立も顕著ですが、こういう本を読んで、友好関係を壊してしまうことの深刻さを肝に銘じた上で行動を考えるべきなんじゃないかな、と痛感させられます。