戦略は歴史から学べ/鈴木博毅

 

 

 ビジネスの戦略のコンサルをされている方が歴史上の戦争から、現代のビジネス戦略との類似点を語られた本です。

 

 古代から現代に至るまでの戦争を題材にして、それぞれの経緯と実際に行われたビジネス上の戦略上との類似を語られているワケですが、例えば『坂の上の雲』で取り上げられたことで知られる日露戦争日本海海戦において、当時世界最強を謳われたロシアのバルチック艦隊に対して完勝を収めた秋山真之が立案した戦略ですが、世界中の回線の実例から範をとったということで、現代のビジネス戦略でいうベスト・プラクティスのベンチマーク戦略にあたるということで、なるほどなぁ…と思わされます。

 

 現在大河ドラマで取り上げられている鎌倉幕府については、旧来の朝廷の権力構造に対抗して、その時点でまだまだ朝廷の影響力が少なかった関東で基盤を気づいて政権樹立に結び付けた源頼朝の戦略をランチェスター戦略になぞらえるなど、なかなか興味深いモノが多数紹介されています。

 

 朝鮮戦争における毛沢東の戦略をニッチ戦略になぞらえるなど、多少ムリヤリ感があるモノも無きにしも非ずなのですが、やはり元々ビジネス戦略も実際の戦争を元に考えられたモノが多いということは認識していましたが、やはりビジネスも「戦い」であることに変わりないからには、参考になることが多いんでしょうねぇ…