コメディアンでありながら、リオ五輪の男子マラソンカンボジア代表として出場した猫さんの自伝的な本です。
一度、この本の中でも紹介されている猫さんがトレーニングをされている施設のランニングイベントで猫さんと一緒に10km程ランニングをさせていただいたことがあるのですが、当時は既にカンボジア人に帰化しておられて、一度目のオリンピックのチャレンジが出場不可になってしまってかなり知られた存在でありながらも、参加ランナーに細やかに気を配られおられるとともに、おおよそコメディアンとは思えないほどマジメそうなキャラだったのが印象的でした。
この本では少年期からの生い立ちも紹介されているのですが、かなり大人しいキャラだったということで、実際にワタクシが感じたところと近いイメージの方だったようですが、そういう人が帰化してまでオリンピックを目指すという壮大なプランを結実させたことにオドロキを感じますが、ある意味、シャレのようなことを大マジメに実現させてしまうところが猫さんならではなのかな、とも思います。
それでもやはりカンボジア代表として実際にオリンピックに出場するまでには相当な軋轢があったようで、今となってはコメディアンらしく面白おかしく語られてはいますが、相当ハラに据えかねるようなこともあったようで、何とか2回目のチャレンジで参加できたということが非常にウレシく感じます。
こういう社会としては、さして意味があるとは言えないかも知れないけれども、壮大なチャレンジをするということが、ある意味スゴイことだと思いますし、ロマンやなぁ、とウラヤマしく感じます…(笑)