極限のトレイルラン/鏑木毅

 

 

 世界的なトレイルランニングの大会であるウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)3位入賞などの輝かしい実績を誇る日本を代表するトレイルランナーであり、かつ日本を代表する国際的なトレイルランニングの大会であるウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)など日本で数々のトレイルのレースをプロデュースするなど、日本のトレイルランニングの象徴的な存在である鏑木毅さんの自伝的な著書です。

 

 コロナ禍以前は、いずれワタクシもウルトラマラソンかトレイルに進出しようかと目論んでいたのですが、コロナ禍でマラソン大会が中止になり2年以上もレースからご無沙汰してしまったこともあって、すっかり走力が低下してしまい、そういう目論見も遥かに霞んでいる現状ですが、ついついこんな本を図書館で見つけてしまい、手に取ってしまいました…

 

 元々鏑木さんは箱根駅伝を志して早稲田大学に進学したものの、故障もあって出場を果たせず一旦引退して公務員になるのですが、その後ひょんなことから出場したトレイルランニングのレースで才能を開花させ、ついには世界最高峰のUTMBに招待され、出場を続けるうちに上位入賞を果たす程のランナーになり、世界を代表するトレイルランナーとして知られるようになったということです。

 

 更にはそうやって勝ち得た知名度を以って、レースのプロデュースも手掛けられており、地方の活性化につながる取組やトレイルランニングの啓蒙活動にも積極的に取り組まれており、そういう意味でもトレイルランニング界のアイコンと言えそうです。

 

 この本ではかなり詳しくレースの状況を記されているのですが、ワタクシなどがフルマラソンで味わうことからは想像を絶するくらい壮絶な世界で、あまりの過酷さに意識が飛んだり、走馬灯が巡るようなこともあるようで、やはりトレイルには相当な覚悟を以って取り組む必要がありそうで、憧れは未だにあるものの50歳代に突入した今からの参入は控えた方が賢明みたいです…