なかなか挑発的なタイトルですが、この本はNHKEテレの『すイエんサー』という科学番組のディレクターが番組内の企画で、中高生女子で構成されるすイエんサーガールというアイドル予備軍のレギュラー出演者が、東大をはじめとする名門大学を知的ゲームで連破した快挙を紹介したモノです。
元々『すイエんサー』という番組は、科学番組と銘打っているのですが、あんまり理論的なことをどうこうするワケではなく、毎回「バースデイケーキのロウソクの火を一息だけで消したい!」みたいなお題が出て、それに対して出演者であるすイエんサーガールたちが、ああでもない、こうでもないということで色んなことを試して解決しようとされているということなのですが、その中で東大の人工物工学研究センターの教授から挑戦状を叩きつけられて、東大の学生と戦ったのがこの本の発端だということです。
その中で、紙で作った橋の強度を競う「ペーパーブリッジ対決」と紙を使ってより高い構造物をつくる「ペーパータワー対決」で、すイエんサーガールたちが東大生に連勝したのをキッカケに、京大、北大、東北大と名だたる大学からの挑戦を受け、かなりの勝率を収めることになったということです。
すイエんサーガールたちは中学生もいて、そんなに名門校に通っている子たちではないにも関わらずこういう結果となったのは、名門大学の学生たちが課題に対して直線的な思考をするのに対し、すイエんサーガールたちは普段の課題に取組むのと同様、ああでもないこうでもないという「グルグル思考」をしているからだとおっしゃいます。
その「グルグル思考」というモノには、
1.「疑う力」
2.「ずらす力」
3.「つなげる力」
4.「寄り道する力」
5.「あさっての方を向く力」
6.「広げる力」
7.「笑う力」
が含まれているということなのですが、ある課題に対して、色んな見方をするということが普段の課題への取組の蓄積でそういう姿勢がすイエんサーガールたちに身についていたということなのでしょう。
名門大学生たちが自分たちの仮説で上手くいかなければ、なかなか修正がウマくいかなかったのに対し、失敗したら次!という姿勢が、課題を解決する上で重要となることもアタマに置いておいた方がよさそうです。
こういう思考法って、以前加藤昌治さんの『考具』を読んだ時にそういうことをおっしゃってたなあ、と思い出したのですが、実社会だとそういう実践的な思考の方が使えるんですよねぇ…