お金の流れで読む日本の歴史/大村大次郎

 

 節税関連の本で知られる元国税調査官の大村さんが、おカネを手掛かりに日本の歴史を語られた本です。

 このブログでも少なからず歴史に関する本を紹介していることでバレているかも知れませんが、ワタクシ結構歴史が好きなのですが、この本を読んでいて驚いたのが、今まで知っていた歴史も経済の観点から見ると、数倍も立体的に見えるというか、ずっと生き生きして見えます。

 やっぱりおカネって人の営みをダイレクトに反映するからなのか、ずっと歴史の動きが理解しやすくなる気がします。

 印象的だったのが戦国時代の攻防で、戦術に優れた武田信玄がなぜ織田信長に勝てなかったのか、ということなのですが、特に経済面の政治能力に圧倒的な差があったからのようで、よく言われるように武田信玄がもう少し長命だったら武田家が覇を唱えたかと言うと、この本を読んでいる限りではそうは思えなくなります。

 日本史ってこういう観点で教えた方がいろんな意味でメリットが多いと思うのですが…

 

 

世界史で読み解く現代ニュース/池上彰、増田ユリヤ

 

 

 タイトルはこんなカタチになっていますが、2014年時点でのニュースの遠因を世界史から探るといった感じで、池上さんらしいなぁ…ということで期待をもって手に取ったのですが、世界史の詳細部分を担当する増田さんとの連携がしっくり行っていない感じで、事前にハードルを上げすぎたかなぁ…という感じです。

 モチロン事件の因縁を歴史から見出して解きほぐすという観点は興味深くそれなりに面白いんですよ!(単に、ワタクシが勝手にハードルを上げすぎただけなんで…)

 ロシアのクリミア併合なんかでも、西欧側にいるとロシアの強引さばかりに目が行きますが、ウクライナ独立の経緯を詳細にみると、単純に割り切れない部分があったんだな、と思うところもあります。

 中国の海洋進出についても取り上げられているのですが、元々中国でも大航海時代に、コロンブスのような取組をしていたようで、そういう意欲があったんだということを紹介されていますが、いわゆる九段線については、そういう取決めの無い時代のこ
とを今更持ちされてもなぁ…という気はしないでもないですが、そういうのを分かってやっているんでしょうね…

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる/樺沢紫苑

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

 

 

 精神科医の樺沢さんが本業に近いところで書かれたビジネス本です。

 脳内物質の分泌をウマく活用するようにして、脳の働きを向上させるための方法論を紹介されています。

 この本の中で、

  ・ドーパミン
  ・ノルアドレナリン
  ・アドレナリン
  ・セロトニン
  ・メラトニン
  ・アセチルコリン
  ・エンドルフィン

という脳内物質の分泌を撃名がることによって、脳の働きが向上するようにする方法を紹介するのですが、だからと言ってムズカシイことをおっしゃっているワケではなく、普段の生活習慣をちょっとずつ見直すことで、これらの脳内物質の分泌を活性化させるということです。

 例えば、目的をブレイクダウンし、達成し続けることでドーパミンの分泌を促すとか、緊張感を持って取組むことでアドレナリンの分泌を促すとか、朝起きて朝日を浴びることによってセロトニンの分泌を促そうとか、そういう感じです。

 要は規則正しく、節制した生活を送ることが、健全な生活が送れることになり、そのことが脳の働きを増すという、当たり前と言えば当たり前の内容なのですが、それを科学的に裏付けているところがいいのかもしれません。

 

君たちが知っておくべきこと/佐藤優

 

君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話

君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話

 

 

 「知の怪人」佐藤優さんが、将来のエリートたる灘高生の質問に答えるカタチの対話で構成された本です。

 冒頭で佐藤さんが日本のエリートに関して語られるのですが、驚いたのが未だに日本のエリートの育成については後進国家型のモデルを脱していないということです。

 どういうことかと言うと、後進国ではモデルとなる先進国に素早く習えるようにするために、記憶力の優れたもの達にそのモデルの要諦を詰め込んで再現させるということなのですが、出口さんが再三指摘されているように、そういうモデルを追うという姿勢が今の日本にとって、最早有益ではなくなっているにも関わらず、旧来型のエリートを創ろうとしていることが問題だと指摘されています。

 ということで、佐藤さんはインテリジェンス活動の経験から、エリートとして生きていくためには、常に自分の進む方向性を見据えた上で知性のメンテナンスを続けないといけないということです。

 特に文系・理系を分けたがる日本の教育においては、文系に取っての数学、理系に取っての歴史がアキレス腱となって、世界のエリートから取り残されることになってしまう現状を紹介されます。

 この対談を経験した彼らがキッカケで、たくましいエリートが育っていってくれることを願ってやみません。

 

独身40男の歩き方/木村隆志

 

独身40男の歩き方

独身40男の歩き方

 

 

 アラフォー男性の婚活支援なんかもされている方が紹介する“独身40男”のリアルです。

 最近では40歳代の男性の3割が独身だということなのですが、その人たちの生態を紹介したモノなのですが、少なからぬ人たちが結婚を望んでいるはずなのですが、小さくない割合の人がミョーに強がったりして、素直に婚活に取組めていないようです。

 でも、仕事面や健康面などでトラブルを抱えるとテキメンに結婚願望が高まるにも関わらず、妥協できず結婚のチャンスを逃してしまうことについて、強く警鐘を鳴らされます。

 その後に直面する大きなリスクを認識せずに、ホンのちょっと妥協すれば結婚できるにも関わらず、悲惨な状況を迎えてしまう姿を紹介されています。

 なんでそういうツマラないプライドを持つんだ?と思うのですが、ワタクシもその立場にあったら、ミョーなプライドが顔を出さなかったと言い切る自身がないだけに、問題の根は深いなぁ…と思わざるを得ません。

 

ピンで生きなさい/久米信行

 

(016)ピンで生きなさい (ポプラ新書)

(016)ピンで生きなさい (ポプラ新書)

 

 

 ゲームメーカーのベンチャー企業日興証券を経て、実家が営む繊維業を経営されている方が語る会社に頼らない生き方に関する本です。

 何というか、非常に爽快な読後感の本なのですが、その感覚と言うのが、しなやかな生き方にすがすがしさを感じるからなんでしょうか…

 “ピン”で生きるための考え方がいろいろと紹介されているワケですが、どうしても会社にいると保守的と言うか、守るモノが多くなって、冒険をしなくなるワケですが、そういうことに頓着せずに、いろんなことにトライして、いろんな失敗をして、いろんな人と人間同士の触れ合いをすることで、自分の“タグ”みたいなものが増えていき、それがさらに世界を広げていくきっかけになっていくようで、眩い生き方だなぁ…と感じます。

 

日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?/今野晴貴

 

 

 『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)』の今野さんの著書です。

 電通の新入社員の自殺を契機に、働き方の見直しが叫ばれるようになっていますが、そもそも欧米ではそういう問題は制度的に起こりにくいようで、日本の企業の労働問題にみられる構造的な欠陥について紹介されています。

 なぜ欧米で日本での「ブラック企業」的なことが起こりにくいのかというと、雇用の際に労働者が企業との間で詳細な職務と処遇に関する内容に同意した上で労働契約が結ばれるからであって、日本の企業におけるあいまいな職務内容に基づく労働契約とは根本的に異なるからだそうです。

 そういった日本企業のあいまいな内容での労働契約が“ブラック”の温床となってしまっており、とりあえず雇用してしまえば、何でもやらせてしまえると思っているフシすらあります。

 さらに日本では欧米と比べて労働者の権利意識が低く、労働法などの関連法規に関する知識が欠けている労働者が大多数なのと、労働組合の多くが単一企業毎となっていることから、労働者の救済という面で機能不全に陥りやすいようです。

 ということで企業の良心に依存する脆弱な基盤の下に成り立っている労働者保護のスキームを早急に改めないと、ずっと被害者が出続けることになりそうですが…