定年後の8万時間に挑む/加藤仁

 

定年後の8万時間に挑む (文春新書)

定年後の8万時間に挑む (文春新書)

 

 

 先日紹介した(ビミョーにディスった…)大杉潤さんの『定年後不安』なんですが、著作自体は肩透かし感がハンパなかったのですが、推薦図書として挙げられている本でソソる本が多いので、徐々に取り上げていきます。

 で、この本が出版されたのは2008年で、まだ“人生100年時代”とは言われていなかったのですが、リタイア後の人生を如何に充実させるかということに変わりはなく、現代よりも会社生活とリタイア後の生活のギャップが激しかったであろうことから、なかなかハードルは高かったであろうことが伺えるのですが、実際に定年後に取組まれたことについて詳細に取材された内容を紹介されています。

 当時はまだリタイア後はのんびりしたいと思う人も少なからずいらっしゃったようですが、そういった生活にあっという間にウンザリして、リタイヤ後の生活を充実させる方向に突っ走るのですが、現役時代さながらのツッコミようが印象的で、個人的にはちょっとマネしにくいかなと感じるところ無きにしも非ずで…

 ただ、ムリに起業するよりもNPOなど様々なフォーマットを念頭に置いておいた方がいいのかな、というのは結構大きなヒントになります。

 

朝鮮半島統一後に日本に起こること/シンシアリー

 

朝鮮半島統一後に日本に起こること ~韓国人による朝鮮半島論~ (扶桑社新書)

朝鮮半島統一後に日本に起こること ~韓国人による朝鮮半島論~ (扶桑社新書)

 

 

 『韓国人による○韓論』シリーズのシンシアリーさんが『○韓論』以外のタイトルで出版された本なのですが、『○韓論』シリーズと同じ新書で出版され、内容も『○韓論』シリーズで取り上げられるモノに近く、かつ近作で最もメッセージ性の強い本と言えるかも知れません。

 冒頭でシンシアリーさんは、デビュー作である『韓国人による恥韓論』について言及し、この本がその初心に立ち返ったモノであることを宣言されていますが、その所以は朴槿恵政権の崩壊から文在寅政権への移行を受けて右派勢力が壊滅的な打撃を受け、左派勢力が台頭した結果、韓国と北朝鮮の歩み寄りが顕著となり北朝鮮主導での南北統一も現実的な選択肢として視野に入ってくるようになったということで、そうなった後に日本にどう影響するのかということがこの本の主題です。

 結論から言うとシンシアリーさんは「朝鮮半島統一前の北側(北朝鮮)が日本に核兵器を撃つ可能性より、統一後の南側(韓国)が日本に核兵器を撃つ可能性の方がずっと高い」とおっしゃっており、南北統一により日本への脅威が格段に高まると指摘されています。

 確かに韓国は元々「反日」と「反共」を国是として成立した国家であり「反共」のために多少「反日」が和らげられたケースもあり、「反共」のカンバンがなくなれば「反日」一枚看板で来ることになり、相当な脅威となりそうです。

 最後にシンシアリーさんはこの本を出版された3年半後にとうとう「日本人」となることを示唆されており、祖国を捨ててしまおうというところまで韓国に失望されてしまったのでしょうか…

 

「がん」はなぜできるのか/国立がん研究センター研究所

 

 

 昨夏の人間ドックで十二指腸に腫瘍があったので切除したところ癌だったということで、超早期発見で早めに完全切除したのでとりあえず今のところ事なきを得たのですが、まさか自分が…ということもあって、こういう本を手に取ってみました。

 今まで周囲にガン患者の人がいなかったこともあって、あまりガンに対して知識も乏しく、罹ると即死亡につながる病気だというイメージでしたが、腫瘍切除のための入院中も感じたのですが、かなり世間のイメージのガンと実際の医療現場や罹患している人のイメージに差があるんだなと感じました。

 この本でも、ガンの罹患自体が死に直結するというイメージはある意味過去のモノで、検診などで早めに発見できればかなりの確率で治癒が見込めるということです。

 ただやはりガンへの罹患で死亡の確率が格段に上がるというのは確かで、「禁煙」「飲酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」に留意して予防に努めるとともに、マメに検診を受けて早期発見に努めるということが重要で、早めにさえ発覚すれば、抗がん剤放射線治療遺伝子治療など多くの選択肢があるということです。

 今回の経験で人間ドックって軽視できないんだな、と痛感した次第ですので、皆様もくれぐれも人間ドックのスキップなどなさらぬよう…

 

10年後、会社に何があっても生き残る男は細マッチョ/船瀬俊介

 

 

 なかなかにアヤシげなニオイのする本で、タイトルに触れられていることはホンの冒頭にフリとして使われているだけで、細マッチョでモテるとか、デキるオトコに見えるとか、そういうのは最早50歳代に突入したオヤジにはあまり関心のないところなのですが、筋肉を鍛えて活性化させることにより、若々しい姿を維持しやすくなり、さらには老化の防止・ボケの防止に役立つということで、目の色を変えて読みだした次第です。

 まあ、言われてみれば当たり前のことではあるのですが、我々の印象以上に筋肉を動かし続ける効果と言うのは絶大のようで、何らかの運動を続けることは、代謝が衰える年代の人に取っては重要なのですが、そのための労力が億劫だという人は少なからずおられるようで、この本で紹介しているような、チカラコブを作るだけでも絶大な効果!と言われると食いつく人もいるんでしょうね…でも、そういう人って、3日坊主のことが多いんでしょうけど…

 

外国語上達法/千野栄一

 

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

 

 

 30年以上前に東京外国語大学のセンセイが書かれた語学習得の極意に関する本です。

 ワタクシ自身、語学習得に関する本を書いたこともあって、語学習得のメソッドについてはかなり関心が高いのですが、こういう“古典”と言える本には、そういったエッセンスが詰まっていることが多く、狙い目だったりします。

 結論から言うとこの本ではオーソドックス過ぎるほどオーソドックスな方法論が詰め込まれており、今だったら、当たり前のことばっかり書いた本が売れるワケがないということで、企画段階でボツになってしまいそうですが、それくらいオーソドックスな内容こそがキモなのかも知れません。

 特に言語を習得する目的を明確にした上で取組むということの重要性を冒頭で紹介されているところが印象的で、にも関わらず未だに多くの人がそのプロセスをロクに踏まずに手を付けてしまって、結局習得せずに終わってしまうことが多いということを見るにつけ、価値の高いアドバイスなんだなぁということを痛感した次第でした。

 最近ではあまりにも語学習得に関する本が多過ぎて、どこか目立たせないといけないということで、奇を衒った本ばかりが目につきがちですが、こういう“古典”でキモのキモを振り返ることが、実は近道なのかも知れません。

 

60代から簡単に頭を鍛える法/高島徹治

 

 

 先日、あれこれディスった『定年後不安』ですが、ビジネス書オタクらしく、挙げられている参考図書・推薦図書にはソソられるものが少なからずあって、しかも50歳代に突入して、リタイア後のことをボチボチ考えないといけないワタクシとしては、ちょっと読み漁って行かなくては…ということで早速手に取り始めてみました。

 老後健康的に過ごしていくには、ボケないということが重要な要素のひとつであって、しっかりと脳の機能の低下を避けるための対策を講じないといけないワケですが、実は歳をとったからといって脳の機能が低下するというのは誤解で、少なくともインプットの機能については、全く20歳代の人と変わらず、ただ単に、若い人に比べて、それまでの経験で蓄積してきた記憶が多いからその記憶を取り出すことが困難となっているだけだということなのです。

 だからウマく記憶を引き出す工夫を身に付けておけば、全く心配はいらなくて、寧ろ加齢による脳の機能の低下という“迷信”に縛られること自体が機能の低下を招いている側面すらあるということなのです。

 だからこの本で紹介されている手法というのは、実は、特に世代を限定せずに紹介されている脳の機能の活性化の手法と全く異なることはないようです。

 ということで、“迷信”を信じることなく、しっかりと脳を使い続けることで、かなりの確率で脳の機能の低下を避けられるということで、しっかりとアタマを使い続けましょう!

 

陰謀の日本中世史/呉座勇一

 

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)

 

 

 『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)』で大ヒットを飛ばした呉座センセイが日本中世史における“陰謀”について語られます。

 日本史の学界では“陰謀”について一段低く見る傾向が強いらしくて、多くの学者は興味があってもなかなか“陰謀”を研究するのはハードルが高いようです。

 “陰謀”というだけにに越された記録が少ないということもアリ、シロウトがあれこれ詮索する余地が多く、トンデモ説がミョーな説得力を持って一人歩きすることも少なからずあるようで、呉座センセイは敢えて学界の慣例を破り、こういったトンデモ説が跋扈しないように、この本を書かれたということです。

 呉座センセイの専門である中世の“陰謀”から、保元の乱平治の乱、頼朝と義経の確執、建武中興、観応の擾乱応仁の乱本能寺の変を取り上げられているのですが、そんな中で通説と異説を紹介されて、丁寧にその正当性について検証されています。

 どうしても後世の我々にとっては、その事件の結果とその後の展開がわかってしまっているだけに、その事件で一番得をした人が、その“陰謀”の黒幕なんじゃないかという邪推をしがちなようで、本能寺の変の黒幕が豊臣秀吉なんじゃないかという説がそれなりの説得力を持って受け入れられる場面もあるということです。

 確かに話としてはオモシロいモノもアリ、小説のネタとしてはアリなのかもしれませんが、キチンと当たるべき資料に当たり、キチンと解釈をした上で、その正当性を検証していくという姿勢が歴史学としては基本のようで、そういう歴史学の姿勢とオモシロおかしく読者をたのしませる歴史小説との違いとちゃんと意識するキッカケとなる格好の書籍になるのかもしれません。