定年バカ/勢古浩爾

 

定年バカ (SB新書)

定年バカ (SB新書)

 

 

 サラリーマンが定年後に備えることについての本は数多く出版されていて、このブログでもいくつか紹介していますが、それらの本が奨める定年後に、既に定年を迎えたオヤジが噛みつきます。

 例えば、定年後に備えたお金の準備とか、仕事の継続だとか、地域での社会的なつながりを持つといったことを、定年本はススめることが多いですが、確かにそういうことがプラスに働く人もいるでしょうが、必ずしもすべての人がそうしなければならないといった強迫観念を抱く人がいるようで、そういう人のことを、“定年バカ”と呼んでいます。

 まあ確かに、別に好きなようにすればいいんだし、ワタクシ自身も単身赴任をしていることもあって、さして孤独を苦痛だと思わないので、この人の言っていることが理解できなくはないのですが、こんな風にやたらと噛みつくという態度は、正直読んでて嫌気がさしました。

 まあ、偏屈ジジイになりたい人は一読されては如何でしょうか!?

 

 

ラーメン超進化論/田中一明

 

ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道 (光文社新書)

ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道 (光文社新書)

 

 

 中央官庁の官僚でありながら人気ラーメンブログを主宰されている方の著書です。

 ラーメンって昔から人気のあるメニューでしたが、「超進化論」とおっしゃっているのは、近年そのクオリティが急速に上がっているからのようです。

 2015年に巣鴨の「蔦」というお店がミシュランガイドで星を獲得し、2017年には大塚の「鳴龍」も星を獲得し、さらにビブグルマンという気軽に安価で楽しめるカテゴリーでは多くのラーメン店が掲載されているということで、最早ラーメンは必ずしも安直
なメニューというワケではなく、一部には和食やフレンチと比肩すべきものも出現しているということです。

 かつては豚骨や鶏ガラといった単一のベースのスープで構成されていたのが、様々な魚介のダシを組み合わせたスープを出す店が出てきたり、トリュフなどの高級食材を活用したものもあり、名店と言われるラーメン店が日々そのクオリティを研ぎ澄ませているとのことです。

 さらには急増している外国人観光客の中にも、ラーメンを目当てにしている人が数多くおられて、今や日本のラーメンが世界中で脚光を浴びている状況なのです!

 実はワタクシもラーメンの食べ歩きが大好きで、この本で紹介されているラーメンのいくつかを食べたことがるのですが、こうった活況で切磋琢磨して、よりおいしいラーメンを食べれるようになるのが楽しみです!

 

 

ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道 (光文社新書)

ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道 (光文社新書)

 

 

18歳選挙世代は日本を変えるか/原田曜平

 

(094)18歳選挙世代は日本を変えるか (ポプラ新書)

(094)18歳選挙世代は日本を変えるか (ポプラ新書)

 

 

 2016年に選挙権が18歳以上にまで拡大されて、その年の18~20歳の投票が初めて認められた国政選挙となる参議院選挙の直前に出版された本です。

 これまで若年層の消費行動の動向などについて様々な著書を出版されてきた原田さんですが、“マイルドヤンキー”や“さとり世代”、“ママっ子男子”など、これまで原田さんが紹介してきた様々な類型のオールスターと言った様相を呈しています。

 で、そういう若年層が選挙民になったことが、シルバーデモクラシーと言われる、中高年の意向が色濃く反映される昨今の政治において、どういう影響を及ぼすかということを考察されます。

 現在の若年層は、かつてとは異なり、人口減少の流れの中で、“マイノリティ”の意識があり、決して政治に興味がないワケでなく、投票行動に対する意欲もありながら、政治のことをよくわかっていないのに自分が投票していいんだろうか、と思っていたり、自分が投票しても何も変わらないんじゃないかという諦念があったりと“さとり世代”らしい感覚をうかがわせます。

 アメリカ、イギリス、フランスなどの若年層の政治への関与も併せて紹介されているのですが、これらの国では若年層の失業率の増加や、過重な奨学金ローンの負担など、若年層の政治への不満が高まっており、それがトランプ大統領の当選や極右の台頭といった現象の要因の一つと言われています。

 今のところ現状に差し迫った不満が表出していないので、表立った政治的な行動につながっていない日本の若年層ですが、“保育所落ちた、日本死ね”のツイートのように、ふとしたことをキッカケに、若年層の不満がクローズアップされる蓋然性はあるようです。

 そういった若年層にアピールするために政治家は、若年層を圧迫しないのはモチロン、やたらと媚びるのもダメで、一生活者としてのスタンスをアピールすることが有効だという考察をされています。

 

PITCH LEVEL/岩政大樹

 

 

 南アW杯日本代表で鹿島アントラーズの黄金期を支えたDF岩政選手の著書です。

 この本、今まで読んだ数多くのサッカー本とかなり趣が違っていて、単なる有名サッカー選手のクロニクルというワケでもなく、教本的なモノでもなく、岩政選手がサッカーについて考えてきたことを語るといった感じの本です。

 しかしこれがモノ凄く惹きつけられるのです…これまで読んだサッカー本の中で一番強い印象を受けた本かも知れません。

 というのもサッカー選手が書かれた本って、どこか感覚的なモノが多くて、サッカーのプレー経験のないワタクシにとっては、キモの部分が理解できないというもどかしさを感じる本が多かったのですが、岩政選手自身曰く、天才的な感覚やズバ抜けた身体能力がない(前者はともかく、後者については定評があったところなんじゃないかと思うのですが…)中でサッカー選手としてやっていくには考えて考え抜いてプレーをしていくしかないという想い、かつ大学時代に数学を先行されていただけあって、物事を論理的に整理することが得意であり、好きでもあったことから、サッカーの局面局面において考えてきたことを、事細かに“言語化”して再現した、シロウトのワタクシにでも手に取るようにわかるレベルで語られた本が出来上がったというワケです。

 実はこの“プレーの言語化”というのは日本においては“頭デッカチ”とか言われてネガティブに捉えられることが多いのですが、サッカー先進国のスペインやイタリアにおいては、プレーの再現性を確保するということにおいて重視されることが多く、岩政選手が日本代表の時に監督だったザッケローニ氏は、サッカーに関する言語化の度合いがすさまじかったようです。

 例えば、戦術ということについては、“メンバーの間で戦い方を共有するためのもの”とおっしゃられていることとか、“マリーシア”と“ラフプレー”の違いが、“先が見えた上でやっている”のか“場当たり的”なのかと違いを示されているなど、なんとなく使ってしまっているサッカーに関するコトバを、誰にでも腑に落ちるように語ろうとしているように思われます。

 こういった“プレーの言語化”というのはサッカーを指導する上で重要でしょうし、こういうことを意識されている岩政選手はきっと将来優秀な指導者となることでしょう。

 なお、この本はちゃんと脚注も読んでください…そこに岩政選手の考えのエッセンスが込められていますので…

 

男と女の理不尽な愉しみ/林真理子、壇蜜

 

男と女の理不尽な愉しみ (集英社新書)
 

 

 作家の林真理子さんが、タレントでもあり作家としても活動されている壇蜜さんと男女のビミョーな関係を語られます。

 ブレイクされた頃と比べて、愛人キャラを押し出すことが少なくなり文化人的な立ち位置の方が板についてきた壇蜜さんですが、林さんが壇蜜さんのそういった側面のもうちょっと込み入った感じを引き出そうとされていて面白いです。

 壇蜜さんって、どこか生命感の薄さみたいなものを感じていたのですが、ブレイクする以前に法医師の助手をされていて、エンバーミング(遺体衛生保全)という遺体をキレイにする仕事をされていたということで、ナットクです。

 しかもその仕事をしながら、銀座で夜のお仕事をされていたということで、あの妖しさもさらにナットクです。

 まあ、あんまり本の感想とか内容じゃないですが、ちょっと壇蜜さんの魅力の一端に触れることができたような気がしました。

 

プロ野球のお金と契約/大家友和

 

 

 長きにわたりメジャーリーグで活躍された大家さんが、自らのキャリアを通じて、主にメジャーでの“お金と契約”を語られます。

 大家投手は元々横浜(現DeNA)でプロ入りをしたのですが、さしたる活躍のないままアメリカに渡り、マイナーリーグからメジャーに這い上がったということで、ある程度日本で成果を残してからメジャーにわたった他の日本人メジャーリーガーとは異なった苦労をされたようです。

 このブログでも田口選手や川崎選手がメジャーとマイナーを行き来する生活の苦難を紹介しましたが、この本では主に契約面から、メジャーとマイナーの格差を紹介されています。

 一握りのトップアマチュアを除いて、MLBに参入する野球選手は、一旦メジャーに昇格したとしても、球団側がいつでもマイナーに降格させることができるオプションを含んだ契約を結ぶことが通例であり、これゆえに選手自身のパフォーマンスに関わらず、“大人の都合”である日突然マイナー行きを通告されることがあるのは、こういった事情があるからということです。

 ただ、日本でよく言われるようにMLBが日本と比べてドライなのかと言うと、そうとも言い切れないところがあって、メジャー枠から外れた選手に戦力外通告がなされるのは、他球団で活躍の機会があるのであれば、そちらに移った方がいいという意向が裏側であるようですし、メジャーの年金制度は非常に充実したものだということです。

 それにしても、現在大家さんはあまり表立った活動はされていないように見えますが、肩を壊して速球が投げられなくなった後も、ナックルボーラーとしての再起を目論むといった不屈の闘志や、タフなマイナーを生き抜いてこられた心得などを若手の選手が学べるようにすべきだと思うのですが…

 

*1:ポプラ新書

*2:ポプラ新書

*3:ポプラ新書

はじめての不倫学/坂爪真吾

 

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

 

 

 先日、藤見里紗さんとの共著『誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)』を紹介した坂爪さんが“不倫”を社会学的に語られた本で、この本をキッカケに“性の専門家”として認知されるようになったようです。

 某雑誌の暴走でやたらと“不倫”がメディアで取り上げられていますが、この本では不倫を“ウィルス”になぞらえて、色んな意味で無防備でいることは、突き詰めると生命の危機につながりかねないということで、社会をあげて何らかの対策となる“不倫ワクチン”となり得るものを見出さなければならないとおっしゃいます。

 そもそも生物学的に言えば、一夫一婦制というのは不合理なシステムなんだそうで、不倫は誰にでも起こりうることなのだという認識を持つ必要があるようです。

 そうした中で、敢えて婚外セックスを認めてみるとか、ポリアモリー(複数恋愛)のコンセプトの導入など、“不倫ワクチン”になる可能性のあるモノについて紹介されてはいるのですが、どれも制度上や慣習上ムリがあるモノばかりです…

 少なくとも不倫に対して、この本で取り上げられているような“正しい”認識を持とうとする意識自体が“不倫ワクチン”となりうるようなのですが、ワクチンって状況によっては発病の引き金にもなりかねないですからねぇ…(笑)