グローバルリーダーの条件/大前研一、船川淳志

 

グローバルリーダーの条件

グローバルリーダーの条件

 

 

 この本は約10年前に出版されたのですが、昨今のグローバル本の流行の草分けとも言える内容で、概ねそういった本が取り上げられている内容が既に取り込まれています。

 というのも、未だにグローバルというと英語がどうのこうのという話に終始してしまいがちなのですが、モチロン英語は話せてナンボなのですが、ただ英語を話せて周囲をかき回すだけの“英語屋”の例もあるように、グローバルで活躍するだけのパーソナリティが重要だと指摘されています。

 そのパーソナリティというのが“主体性”だということなのですが、戦後日本の教育や会社ではその人の学校での性先に応じて、ある程度進む道が規定されてしまい、自分がどう行動していくのかということを深く考えない人を多く生み出してしまっているようです。

 そんな中で如何に主体性を持った人を育成して行くかということなのですが、学校も会社もあまりそういったところに、当時は見向きもしなかったようで、それが未だにグローバルリーダーの不足につながっているようです。

 今は、ちょっとはマシな状況になっているといいんですけどねぇ…

 

アサーティブ―「自己主張」の技術/大串亜由美

 

アサーティブ―「自己主張」の技術 (PHPビジネス新書)

アサーティブ―「自己主張」の技術 (PHPビジネス新書)

 

 

 “アサーティブ”ってビジネス書とかでよく取り上げられるネタではあるのですが、周りを慮って言いたいことが言えない人のためといったイメージがあって、どっちかというと一言多いタイプのワタクシに取っては、真逆のテーマなのかなと思いきや、この本を読んで大きく考えが変わりました。

 確かに発信しなことには始まらないので、ちゃんと自分の考えを相手に伝えようとするという側面は確かにあるんですけど、どっちと言うと言い過ぎるというか、言うには言うけど、相手がそれにカチンと来て、自分の言うことを聞いてもらえないのでは言っている意味があまりないということで、この本では如何にして自分の望んでいるような行動を相手に取ってもらうかということに力点を置いて語られているところが目からウロコです。

 寧ろワタクシと同じような一言多くて、コトバにトゲのあるタイプの方に読んでもらいたいような内容でした。

 

孤独とセックス/坂爪真吾

 

孤独とセックス (扶桑社新書)

孤独とセックス (扶桑社新書)

 

 

 以前『誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)』を紹介した坂爪さんの著書なのですが、かなり重たい性愛論です。

 『誰も教えてくれない大人の性の作法』では草食男子の問題に触れられていたのですが、この本では、坂爪さんご自身の屈折した高校時代を紹介されていて、そういう性的に満たされない想いというのは、ワタクシ自身も記憶があるので、結構イタイ思い出と共に思い起こされました。

 で、隣のぶどうは酸っぱい、ということを例として挙げられていますが、結局そういう性的なことを否定するのは逃げだということで、その辺りは“孤独”が足りないとおっしゃっているのは、わかるけど、キビシイなぁ…と思います。

 その他、恵まれない境遇で育った女の人が、子供を持てばその後の人生が充実するんじゃないかと思って、子どもを持ったものの、ロクな教育を受けてこなかった影響で、満足な収入も得られない中で子供を持ってしまった悲劇となっていまうことを引き合いにだされています。

 性というのは根源的な欲望であるだけに、そのことが思いもしない余波を生み出してしまうようで、逃げずに“孤独”と向き合うことが、その後の生活の充実につながるということなのですが、高校生位で、そこまでストイックに自分に向き合えるって、なかなか高いハードルですよねぇ…

 

大人の男の気遣い/潮凪洋介

 

大人の男の気遣い

大人の男の気遣い

 

 

 “気遣い”というのはオンナの人に対してであって、モテるオヤジたちが如何にオンナの人に対してココロを砕かれているかということを説かれた本だったりします。

 昔、ワタクシの上司だった人が、モテるためにはオトコ前がどうのこうのというよりも、マメさだと力説された方がいらっしゃいました…まあ、その人自体、モテまくってて、しかもいいオトコだったのですが…が、その方の正しさを傍証する本です。

 一見、オンナの人に取って都合のいい人のようでありながら、本質的なところでちゃんとピリッとしたところを見せるということがモテる秘訣のようで、やっぱりちゃんとそのオンナの人が求めていることを良く見ていることが秘訣なんだな、と当たり前な
んだけど、多くのオトコの人ができていないことが求められているんだなということが理解できる本でした…(笑)

 

京都ぎらい 官能篇/井上章一

 

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

 

 

 『京都ぎらい (朝日新書)』の続編にあたる本のようですが、その中でも特に性愛に関する内容に特化したモノのようです。

 今でこそどちらかというと京都を訪れる人は女性の方が多いくらいですが、かつて「京都に行く」と言うと女性を買いに行くということと同義であったということを紹介されているのがオドロキです。

 というのも、権力者がいてそれに群がるオトコ達のために風俗産業が発展し、さらにそれにオトコ達が群がるといった具合で、京都を訪れる人のほとんどが男性だったというのもうなづけます。

 そういう京都なので、官能的なことには事欠かないということで、磨き上げられた女性に骨抜きにされる田舎侍たちや、雅な天皇周辺の性の乱脈ぶりなど、京都周辺で繰り広げられる性風俗を紹介されています。

 色事と権力は常にあざなえる縄のごとしなのですが、雅な世界を描きながら、この本ヘタなエロ本よりずっとエロいです…(笑)

 

定年準備/楠木新

 

定年準備 - 人生後半戦の助走と実践 (中公新書)

定年準備 - 人生後半戦の助走と実践 (中公新書)

 

 

 『人事部は見ている。 日経プレミアシリーズ』でブレイクした楠木さんですが、最近では『定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)』がヒットし、定年モノの出版が続いていますが、この本もその一環です。

 就活本でも様々な切り口で多くの本を出版してきたように、定年シリーズでも丹念な取材を通して様々な側面を語られてきていますが、この本では定年後に備えた“準備”の重要性がメインテーマとなっています。

 定年後にボケたり、“濡れ落ち葉”と言われて奥さんに鬱陶しがられたりするのは、それまで会社にドップリ浸かった生活を送ってきたのが、いきなりそれがゼロになってしまって、どうしたらいいのか戸惑ってしまうからだということで、定年の10年位前…この本では50歳位からということになっていますが…前から、何か会社以外の活動の種まきをして置くことを推奨されています。

 できればいくつかあればいいでしょうし、どれかが空振りに終わったとしても、ちょっとしたつながりができるということもあるでしょうし、「働き方改革」でも、このあたりのところもスコープに入れていただけたらいいと思うんですけどねぇ…

 

お金の流れで探る現代権力史/大村大次郎

 

 

 以前、元国税調査官の大村さんがおカネを手掛りに日本史を紐解いた『お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れ (中経の文庫)』を紹介しましたが、今回は世界の近現代史をおカネを手掛かりに紐解いてみようという趣旨の本です。

 日本史の方はあまりおカネの観点が入り込んでいないところに、そういう切り口で歴史を見てみる面白さがあったのですが、近現代史だと結構経済と政治が不可分の要素となっており、歴史の教育においてもある程度経済の状況が加味されているので、期待したほどに新たな発見はなかったのですが、寧ろ現代史というか、ほぼ最近の出来事の裏話的な話に興味をそそるところが多くて、実はタックスヘイブンはイギリスが裏で手を引いていたとか、中国は、国全体に未だ飢餓感があるから、まだまだ発展するとか、そういうところに大村さんの独自の観点が活かされていて興味深かったな、と感じさせるところが多くありました。