はじめての不倫学/坂爪真吾

 

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

 

 

 先日、藤見里紗さんとの共著『誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)』を紹介した坂爪さんが“不倫”を社会学的に語られた本で、この本をキッカケに“性の専門家”として認知されるようになったようです。

 某雑誌の暴走でやたらと“不倫”がメディアで取り上げられていますが、この本では不倫を“ウィルス”になぞらえて、色んな意味で無防備でいることは、突き詰めると生命の危機につながりかねないということで、社会をあげて何らかの対策となる“不倫ワクチン”となり得るものを見出さなければならないとおっしゃいます。

 そもそも生物学的に言えば、一夫一婦制というのは不合理なシステムなんだそうで、不倫は誰にでも起こりうることなのだという認識を持つ必要があるようです。

 そうした中で、敢えて婚外セックスを認めてみるとか、ポリアモリー(複数恋愛)のコンセプトの導入など、“不倫ワクチン”になる可能性のあるモノについて紹介されてはいるのですが、どれも制度上や慣習上ムリがあるモノばかりです…

 少なくとも不倫に対して、この本で取り上げられているような“正しい”認識を持とうとする意識自体が“不倫ワクチン”となりうるようなのですが、ワクチンって状況によっては発病の引き金にもなりかねないですからねぇ…(笑)