マクロ経済学の核心/飯田泰之

 

 

 「失われた〇十年」がいつまで続くのだろう…と思って久しいですが、経済政策も財政政策も何の役に立ってるんだ!?とか、経済学者って何の役に立ってるんだ!?と思う人も少なくはないと思うのですが、マクロ経済学ってわからないところが多すぎるところがあると思うということもあって、原点に立ち戻って…ということでコチラの本を手に取ってみました。

 

 この本はかなりGDP(位は聞いたことがあるでしょ!?)などの国民経済計算から始まって、IS-LM分析→総需要曲線・総供給曲線の均衡というところを順を踏んでマクロ経済学の基本的な理論を順を追って紹介されているのですが、それでもマクロ経済学に影響を与えるすべての要素を考慮しきれているワケではないですし、そういう分析に影響を与える要素として、全体としての国民のマインドというフツーに考えても不確定な要素までを変数として考えなくては分析が成り立たないということもあって、マクロ経済学の有効性って!?と思ってしまいたくなります。

 

 外交官試験の対策でマクロ経済学を勉強していた頃に、流動性のワナなんてモノを知って、こんなことって起こりうるんだろうか…と思った記憶があるのですが、ここ数年の日本経済の状態は正にこの状態にあるようで、落胆しつつどこかカンドーを覚えるワタクシはちょっとヘン!?と思いつつあります。

 

 ということで、ウマくいかないからと言って知らなくてもいいということではないでしょうし、なるほどこういう状態にあるのか…ということを知っておくだけでも自己防衛的なスタンスを取れるということもあるので、サラッとでも知識を仕入れておくのもアリじゃないでしょうか…(まあ、ナマナカなことでは理解したとナットクできないとは思いますが…)