- 作者: 大家友和
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2017/10/11
- メディア: 新書
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長きにわたりメジャーリーグで活躍された大家さんが、自らのキャリアを通じて、主にメジャーでの“お金と契約”を語られます。
大家投手は元々横浜(現DeNA)でプロ入りをしたのですが、さしたる活躍のないままアメリカに渡り、マイナーリーグからメジャーに這い上がったということで、ある程度日本で成果を残してからメジャーにわたった他の日本人メジャーリーガーとは異なった苦労をされたようです。
このブログでも田口選手や川崎選手がメジャーとマイナーを行き来する生活の苦難を紹介しましたが、この本では主に契約面から、メジャーとマイナーの格差を紹介されています。
一握りのトップアマチュアを除いて、MLBに参入する野球選手は、一旦メジャーに昇格したとしても、球団側がいつでもマイナーに降格させることができるオプションを含んだ契約を結ぶことが通例であり、これゆえに選手自身のパフォーマンスに関わらず、“大人の都合”である日突然マイナー行きを通告されることがあるのは、こういった事情があるからということです。
ただ、日本でよく言われるようにMLBが日本と比べてドライなのかと言うと、そうとも言い切れないところがあって、メジャー枠から外れた選手に戦力外通告がなされるのは、他球団で活躍の機会があるのであれば、そちらに移った方がいいという意向が裏側であるようですし、メジャーの年金制度は非常に充実したものだということです。
それにしても、現在大家さんはあまり表立った活動はされていないように見えますが、肩を壊して速球が投げられなくなった後も、ナックルボーラーとしての再起を目論むといった不屈の闘志や、タフなマイナーを生き抜いてこられた心得などを若手の選手が学べるようにすべきだと思うのですが…