失われゆきつつある“町中華”を追い求める
そもそも“町中華”とはは何なのかというと、ちょい郊外のターミナル駅近くに古くからある中華料理をメインに据えながらも、カレーライスやカツ丼といった和洋メニューもカバーする地域の身近な“食堂”といった感じの店を指すようです。
そういう“町中華”がチェーン店や専門的化する中華料理店の狭間にあって“絶滅危惧種”化しつつあることも相まって、静かなブームとなりつつあるようですが、そのブームの火付け役ともいうべき人々が、“町中華”の魅力を探るワケですが、なかなかそのビミョーなところをどうアピるのかが興味深いところです。
“町中華”というのは、必ずしも美味しい店だというワケではなく、多くは安価でそれなりに空腹を満たすというコンセプトで運営されいる店が多く、店主は概ね高齢で、あんまり将来の展望などを積極的に開拓しようとするでもなく、さして品質を挙げることに熱心なワケでもなく、それでもビミョーにその生存領域を確保してきた…でも、その担い手が徐々に減りつつあることから風前の灯火である“町中華”の現状を見守るといった趣旨の本です。
割り切ってしまえば、別に特別ウマいワケでもなく、無くなるんなら、それはそれでしゃあないとは思いつつ、でも寂しいよなあ…というアンビバレンツを、これでもか!?という程、味わえる本でした…