リーダーシップからフォロワーシップへ／中竹竜二

リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

　カリスマ・清宮克幸氏の後を継いで早稲田大学ラグビー部の監督
をされていた方の著書です。
　中竹さんは、監督在任当時、「日本一オーラのない監督」と揶揄
されて、ご本人もそれを受け入れていたことをインタビューなんか
で読んだことがあったのですが、当時は、？？？って感じでしたが
この本を読んで納得がいきました。

　中竹さんは、組織としての理想的な状態というのは、リーダーが
進むべき道を示した時に、構成員も既にそっちの方向に進むことを
想定していて、別に説得するわけでもなく、一丸となって進むべき
方向に進んでいく状態だと言います。

　確かに、短期間である一定の成果を出そうとすると、カリスマ的
なリーダーが指し示す方向性にフォロワーがついていくというスタ
イルがある意味効率的ではあるのですが、その効果の寿命は意外と
短くて、組織自体が成熟して、上記のような理想的な方向に進んで
いくことがあるべき姿だといいます。

　そういう意味で、どん底から清宮氏が引き上げた早稲田ラグビー
を中竹氏が成熟させたと言うことになるのかもしれません。

　そうでなければ、「日本一オーラのない監督」があれだけの成果
を出せたハズがありません。

　中竹氏の名前だけでこの本を手にとってみましたが、組織論とし
て非常に興味深い読み物でした。