これから「日本サッカー」の話をしよう/ズドラヴコ・ゼムノビッチ、西部謙司

これからの「日本サッカー」の話をしよう 旧ユーゴスラビア人指導者からの真摯な提言

これからの「日本サッカー」の話をしよう 旧ユーゴスラビア人指導者からの真摯な提言

 元日本代表監督のオシム氏を始めとして、そうそうたるサッカーの
監督を輩出してきたセルビア出身で、清水エスパルスなどの監督をさ
れていたゼムノビッチさんの言葉を、Numberなどへの寄稿でおなじみ
の戦術論のエキスパート・西部さんが伝える、といった形の本です。

 内容としては、ゼムノビッチさんがこれまで見てきた、ヨーロッパ
と日本のサッカーの顕著な違いを指摘し、見習うべきところは見習う、
長所は長所として活かすということで、日本サッカーの強化につなが
る話をしようということです。

 印象的な話としては、極端な言い方をしてしまうと、日本のプレー
ヤー(というか、サッカーを始めた子供なんですかね…)は、まず、
教えてもらおうとする、ということでしょうか。
 ゼムノビッチさんによると、こういった受身の姿勢が、創造的な
プレーヤーを輩出することを阻害している、言います。(ゼムノビッ
チさんは、日本の売りであるはずのMFですら、創造的なプレーヤー
が少ない、と指摘されています。)

 ただ、それに対して、組織だった守備というのは非常に高く評価
されています。

 あと、プレー面ではないのですが、スタジアムが非常に安全で
あることに驚いた、というのが印象に残っています。

 そういう、双方のいいとこ取りができれば、強くなれるだろうなあ…