コンサルタントの仕事学/小宮一慶

コンサルタントの仕事力 (朝日新書)

 あなたは、コンサルタントにどういう印象をもっておられますか?

 批判的な印象を持つ人ほど、頭でっかちだの、口だけだのっていうイメージがあるかも
知れませんし、私が知っているコンサルタントで、そう言われても仕方のない人が少なか
らずいるのも確かなんですが、本当にコンサルタントのあるべき姿ってそんなもんじゃな
いんだよ、ということが、この本を読むとよくわかります。

 まあ、小宮さんって、『あたりまえのことをバカになってちゃんとやる』って著書が
あるくらいで、愚直な仕事ぶりを信条にされているだけあって、そういう表面上の仕事
振りに、非常に厳しい態度を取られます。

 小宮さん自身、自分がやってみたことしかクライアントに助言をしない、とおっしゃる
だけあって、徹底的な行動主義を取られています。

 確かに、知識やフレームワークの積み上げって言うものは、コンサルタントにとって
重要ではある、とおっしゃられていますが、あくまでもそれも、実践を通して初めて、
コンサルティングの場面で使えるものになる、と考えられているようです。

 他の本でも、「仮説を立てる」「検証する」と言うことの繰り返しの重要性を説かれて
いますが、特にコンサルタントにとって、その繰り返しを行って、知識やフレームワーク
を血肉化することが重要なようです。

 意外と、泥臭いでしょ。