
- 作者: 金子達仁
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/08/08
- メディア: 単行本
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史上最強のキャッチャー古田敦也さんの半生を、サッカー関係の著作で知られる金子達仁さんが
描きます。
「右手を描くために、右手の周りを描く」みたいな話を聞いたことがありませんか?
この本は、古田氏の野球選手としての生涯を描くために、その時期ごとに密接な関係のあった人
へのインタビューを行うことで、炙り出そうとしています。
例えば、キャッチャーとしての能力を紹介するために、古田氏自身も自分に似ていると認める
元阪神の矢野捕手と古田氏を対談させてみたり、日本プロ野球史上最大の「事件」であるストライキ
前後の状況を描くのに、カウンターパートで握手を拒まれたことで有名な、当時ロッテのフロントに
おられた瀬戸山氏に語らせたりしています。
非常にスリリングで面白い手法だなあ、と思いつつ、もうちょっと徹底して欲しかった、という
ないものねだりをして見たくなったりします。
最近、積極的な著作活動が影を潜めている金子氏ですが、ワタクシ、この人のストーリーテリング
がスゴク好きなので、書き物に帰ってきて欲しいなあ…