たかが英語!/三木谷浩史

たかが英語!

たかが英語!

 楽天の社内公用語の英語への移行に関する取組を社長自らが語った
本です。

 賛否両論いろいろとありましたが、世間で受け止められている程、
ラディカルな取組じゃなかったのかな、というのがこの本を読んで
の素直な感想でした。

 と言うのも、楽天自体、ビジネスモデルが、ITのプラットフォ
ームビジネスである以上、海外に向けた展開と言うものを視野に入
れておかなければいけなかったでしょうし、M&Aとかで海外の企業
を傘下に入れたり、外国人の社員を多く受け入れていたということも
あって、そういった社員への情報伝達の効率化やという意味で、合理
的な判断のように思えます。(あんまり英語に関係ない職場にいて、
英語をやらされる人は、そうは思えないでしょうけど…)

 ITを経営に持ち込んだのと同様、英語も単なる情報伝達のツール
を割り切って、ここでその環境を取り込んでおけば、圧倒的なアドバ
ンテージとなるという判断だったのかもしれません。

 あとは、『もし御社の公用語が英語になったら』で紹介しましたが、
日本語にありがちな暗黙のコミュニケーションを、英語の論理的な
コミュニケーションを持ち込むことによって排除し、経営の効率化を
図れる、ということも三木谷さんの視野にはあったようです。

 いやいや、これからは、楽天やファーストリテーリングみたいな
先進的な企業だけじゃなくて、すぐそこまで「会社の公用語は英語」
な社会が来ているのかもしれません。