味方を増やす技術/藤原和博

味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方〈3〉   ちくま文庫

味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方〈3〉 ちくま文庫

 [よのなか]の歩き方シリーズの1冊ですので、大きな流れは『処生術』
の中にあって、その具体的な内容のうち、周囲を巻き込んでいく方策の
紹介と言えるでしょうか…

 『自分「プレゼン」術 (ちくま新書)』の中でも再三触れられていましたが、
相手に関心を持ってもらうためには、自分のパーソナルな部分を相手に
理解してもらうことが、最も有効な方法だということをこの本でも語ら
れていて、そのために、「ネガティブ・コミュニケーション」が役立つ
ということです。

 「ネガティブ・コミュニケーション」というのは、自分の弱みをさら
すことで、自分が相手を信頼しているというか、相手に親近感を感じて
いるんだということをアピールすることで、逆に相手からも親近感を
感じてもらえるようになる、ということなんだそうです。

 その他には、「もうひとりの私」ということをしっかりと持っておく
ことで、「仮面」である社会人としての顔に引きずられないようにする
ことで、自分の軸をしっかりと持つことが重要なようです。

 「もうひとりの私」というのは、会社とか学校とかといった「公的」
な面ではなく、できれば自分が好きなことに取り組んでいるときの交友
というものを大事にすることで、回りまわって、「公的」な活動でも
「味方」が増えることにつながる、ということなんだそうです。

 「仮面」だけでは、やっぱり信用してもらえないですからね…