サッカー戦術が簡単に分かる本/西部謙司、北健一郎

 戦術博士・西部さんの戦術に関する本なんですが、この本は実際にサッ
カーをプレーする人がターゲットとなっていて、しかもサッカーをプレー
する小学生やそのご両親、サッカーを教えるコーチや先生たちという、
結構ターゲットが絞り込まれています。

 この本のあとがきには、共著者の新進サッカーライターの北さんが、
「この本を読んだ人は確実にサッカーがうまくなります。」と言うことで、
「もし自分が小さい頃にこの本を読んでいれば、もっといい選手になれた
だろうな」とまでおっしゃっています。

 まえがきにこれが書いてあったら、眉にツバをタップリつけて読むこと
になったはずなんですが、あとがきで見ると大いにナットクです。

 というのも、サッカーで有り得るいろんな局面に置いて、論理的にどう
プレーすべきか、というのが事細かに紹介されていて、それが攻撃、守備
に分けて、個人としてどう対応する、それを超えた部分はチームとして、
どう対処する、もっと大きなチームの決まり事としてどう対応するという
レベルごとに紹介されていて、最初の個人戦術を読んでいるうちは、プレ
ー経験のないワタクシとしては、結構ダルかったのですが、それがチーム
戦術に進むにつれて、個人戦術における意味合いがわかるにつれ、超「目
からウロコ」でした。

 冒頭の「読むだけで上手くなる」というのも、ボールの扱いなどのスキル
がなくても、これだけ意識してプレーすると、少なくとも守備の局面に
おいては、立っているだけでも役に立つ部分があると言うことで、非常に
感心させられました。

 早速、これをお向かいの少年サッカープレーヤーに勧めたいと思います!