眼・術・戦/遠藤保仁、西部謙司

眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意

眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意

 サッカー日本代表の遠藤保仁のプレーヤーとしての特性にフォーカスした本です。
 サッカーの戦略に関する本を数多く書かれている西部謙司が遠藤選手にインタビュー
する形です。

 視野が広いとかパスの精度が高いとか、戦術眼が優れているとか、プレーヤーとして
の能力の高さについても触れられて入るのですが、この本の一番のキモというか、遠藤
選手の高い能力のキモは、「常識」に縛られずに、自由な発想で、出来る限り得点を
取る確率の高い戦術を実行に移す、と言うところなんではないか、とこの本を見て感じ
ます。

 日本のサッカーは、攻撃的だとは言われますが、チームづくりとしては、まずキッチリ
守備のベースである数的優位の確保をベースとして戦術を立てることが常識になっている
と思うのですが、遠藤選手によると、これが得点を狙っていくにあたっての足枷となる
ことがあるということです。

 だから、そういうセオリーを敢えて無視してでも、得点を取りに行くことが必要な
場面がある、そこでちゃんとリスクを犯すことが攻撃的なサッカーにとって重要なよう
です。

 この本でも西部さんが書かれていますが、まあ、遠藤選手のプレーを見続けたいのは
見続けたいのですが、監督としての遠藤保仁を早く見てみたいと、強く思いました!